「会食」
お正月からあっという間に3週間が過ぎた。10日戎には布施の戎神社にお参りし商売繁盛を祈願して笹を買うのがここ数年の事だが、コロナ禍になった影響か、天然の笹竹の販売がなくなり、一種類だけの模造の笹に札が付いているタイプしか販売されなくなった。種類を限定した販売戦略なのか。コロナ禍の対策のためにお客さまが声を発して注文するコトバを減らし行列と混雑と密集を避けるための措置だったのか。自転車の前のカゴに買った笹を乗せて、そんな事を考えながらペダルを漕いだ帰り道だった。15日には門松を撤去した。
今年になってさまざまな新年会が復活した。木村工務店の恒例の初出の新年会は3年間中止しているが、業界団体の新年会はちらほら復活し今年になって3つの会食に参加した。暫くぶりだとあらたまってスーツに着替えネクタイ締めるのが面倒くさいなっ!ておもうが、外に出向いて人と会って、いわゆる「会食」をするっていうのはそれはそれでやっぱり楽しいよなっ。とおもう。
そうそう昨年末には「ものづくりセッション」に参加する若い人達と2回ほどうちの家で会食をし楽しい時間を過ごした。年末のものづくりセッションの時にプレゼンしたワタシの話の解説のようなものを聞きたかったらしい。若い2人だったからか、奥方が、料理教室で習ったイタリアンをフルコース風にご馳走するわ!と張り切った。その噂がSNSに流れて、一週間後、やっぱりうちの家で今度はリゲッタのタカモト社長を交えた6人ほどで鍋を囲んだ。流石に奥方も6人にフルコース料理は絶対無理っ!てなって、小路の「活気寿し」のちゃんこ鍋をテイクアウトし、それにお造りなどをつぎ足して、深夜まで続く楽しい会食となった。
この土曜日。高校時代の同級生4人と奥方と私の6人が、うちの家で、会食を共にすることになった。同級生といってもそれぞれ仕事上でお世話になっているし、ちょっとしたお礼事も重なったので、奥方も親しくしている同級生で集まることになったが、さて食事をどうするか。だった。今回は奥方も一緒に食事と会話を楽しみたいというし、それに、グルメ王と少々の笑いをこめて揶揄されるヤツがおり、そのうえ魚が苦手なヤツまでいて、鍋が選択肢から外れると、おっさんのちょっとうるさい口に合う手料理なんて絶対無理っ!ていう。ま、確かに。
コロナ禍前に、あるお宅の竣工お祝いで、施主の方が「お届けリストランテ」を運営されている社長さんを交えて、そこの出張シェフを招いたランチでの会食があった。それがなかなか楽しく、美味しく、シェフの出張といっても特別に高い金額ではなく、手に届く価格だった。そんなこんなで、奥方が、そのお届けリストランテからチョイスしたフレンチのシェフを呼ぶことになった。
開始一時間程前に、若い男性シェフとウエイトレスの女性のお二人が車でやってきて準備が始まった。デザートまで含めたフルコースでパンとお酒だけを準備し、食器はシェフ持ちでカトラリーはうちの家のものを使った。どれもが美味しい料理だったが、なによりもうちの長男と同じ年齢の若いシェフが、一生懸命誠意をこめて料理をする姿勢に、おっさん全員で拍手を送った。おっさんのひとりは「グッドジョブ!」と感謝とこれからの応援のコトバを贈った。会社経営をする二人は名刺を交換していた。
食事を共にできるテーブルがあって、フツウのキッチンがあり、シェフを招いて会食をする。っていうライフスタイルが、富裕層で億ションや高級住宅の所有者だけのものでなく、フツウに誰もが利用できる時代になってきて、そんなニーズに応えながら美味しい料理を提供するシェフとして生きていこうとする若い料理人がいて、何よりもそういう仕組みを造ってイノベーションを提供しようという若い経営者もいて。ワタシ、そんなライフスタイルも楽しめる、新築やリフォームを提供していきたいものだなっ。とおもえた「会食」だった。