「新米」
庭のキンモクセイが橙色のカワイイ花を咲かせ冬がやってくる紅葉前の穏やかな秋。日曜日の午後3時過ぎ、大阪城と難波宮跡周辺を自転車で散策すると、それぞれが思い思いに土の上にシートを広げ寛いでいる雰囲気がとってもエエ感じ。女子会が目立つな。男子はどうしているのだろうか。ゴルフとか登山とか釣りなのか。そうそう急に外国人観光客が増えてきた。それも東洋というより西洋な観光客が目立つ秋。
もうひとつ秋の訪れを実感する出来事があって、長男奥方の実家から送られてきた「新米」を食す。甘いそして美味い。おかずと一緒にご飯を食べるのがもったいないとおもえるほどお米そのものの旨味に笑顔がこぼれる。ここ数年、年がら年中ダイエットしていると吹聴するわりにはその効果に落胆を繰り返している奥方だが、こんな美味しいお米やったらお茶碗山盛り一杯食べたくなるわ!我慢せな。と言いながら、きっとこっそりお茶碗いっぱい食べているのだとおもう。それぐらい美味しい。ここ1ヶ月だけがほんとうに美味しいらしい。この歳になってホンマモンの「新米の旨味」をようやく知った大阪生野にしか住んだことのないワタシ。
そういえば秋の味覚のひとつ「松茸」を能登の珠洲で食す。前回のブログで金沢で鮨を食べたその前日は珠洲にある「湯殿さか本」という、かなりコダワリの強い宿に泊まった。その宿に同級生は知人と二家族で宿泊予定だったらしいが、一緒に行く予定だった家族がキャンセルになって私たち夫婦を誘ってくれた。偶然というコトバがあるように、私はたまたまその前日からウィリエールという自転車メーカーのキタムラくんのお誘いで能登の珠洲に宿泊し自転車に乗るコトになっていたのだ。奇遇ともいうのだろうか。
その宿のホームページには「特別普通に。もしかしたら、さか本は大いに好き嫌いを問う宿です。なにしろ、部屋にテレビも電話もトイレもない。冷房設備もないから、夏は団扇と木立をぬける風がたより。冬は囲炉裏と薪ストーブだけ。そう、いたらない、つくせない宿なんです。泊楽 さか本はなんにもありません。申し訳ありません。・・・・」と書かれてあって、そのとおりの宿だったが、食事も特別普通な旨味で美味しかった!と表現すれば良いのかもしれない。その朝食に松茸が入った土瓶蒸しがでる。それが朝起きがけの体に染み渡った。いままでで一番印象に残るフツウじゃない朝食で、秋の訪れを感じる朝になった。
そうそう秋晴れの土曜日。こんな峡谷のような一角で地鎮祭があった。テントの奥に見えるのが心斎橋商店街のアーケード。朝9時30分開始だったのに、この写真の裏の雑居ビルからカラオケの漏れる音がそこそこの音量で聞こえ、神主さんの祝詞奏上とシンクロナイズした。流石ミナミ! デザイン監修がナカジマさん、設計はAR設計のシモカワさん、構造設計はシモヤマさん、施工キムコーというこのチームで、ここに木造「木組み」の店舗が建つ予定。
現場監督は最古参のムラカミさんと新人のオオウエくん。と書いた途端に、「新米」は食べると甘くて美味いのに、「新人」は青臭いなんて表現もあるほどまだまだ淡泊な感じがするが、なぜ「新人」のことを「新米」と表現するのか、不思議におもえてきた。ググると『「新前」説「純白お米」説「江戸にお米が集まった」説「前掛」説』などなどに遭遇する。新米のように旨味のある味のことでははなく、新米も新人も取れたて入社したての「フレッシュ」であることが共通点なのか。
なんて。今年の秋はこんな感じの秋なんです。