想像力。
先週。木村工務店の加工場でタバタ大工が手加工をしていた。「鑿ノミと金槌カナヅチ」のコンコンとリズム良い音が事務所まで響く。その音感がとっても心地良い。矢部さん設計のRC住宅で、コンクリートの躯体の外にカーテンウォールのような木造の外壁が取り付く。RC造と木造のハイブリッドでどんな住宅になるのか想像してみた。昨年は木造住宅を2棟だけ手加工で上棟したが、木造技術の伝承として、大工の楽しみとして、これからも細々と手加工を継続できれば嬉しいが、作業を見守りながら、大工の手加工が重宝される時代になるのか、これからの時代背景を想像してみた。
↑ 廃校になった生野区の御幸森小学校がNPO法人IKUNO・多文化ふらっとさんと株式会社RETOWNさんとの地元のNPO法人と区外の企業がタッグを組んで、それぞれの持つ強み・ノウハウ・ネットワークを活かし共同事業体として事業を行いながら、多文化共生と地域活性に同時に取り組んで、生野パークとして運営していくという。かつて音楽室だった教室をその多文化フラットさんの事務所としてリノベーションを設計施工させて頂いた。吉野杉の床を貼って一部の壁と家具を造っただけなんですけど。子供達が集まってくる居心地の良い空間として使われればとっても嬉しいし、それより運動場がどんなオープンスペースとしての「いくぱー」生野パークになるのか想像してみた。
↑ そうそうちょっと前の週末。次男に誘われ家族で京都に行くことになって、夕方の1時間、皆と別れ、長男の誘いでマゴと3人で、ブライアン・イーノの美術展に行く。「ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです。」と入り口に掲示されてあった。なるほど。店員さんが私達3世代の珍しい観客に気を利かしてくれたのか、記念写真を撮ってくれた。
↓ その京都の夜。皆で「梅の湯」という銭湯に行った。サウナブームなので若い人を中心にいっぱい。久しぶりに京都のまちを歩いたけど、想像力をかきたてられ、やっぱりエエよね。
「旅」っていうのも、「ありきたりの日常を手放し自分の想像力を自由にする機会」なのかな。って考えていると、2022年の夏旅で八戸のまちを歩いた記憶がフラッシュバックしてきた。
↑ 八戸の夜。夕食をもとめて、みろく横丁という小さな店舗が立ち並ぶお店のひとつに入って食事をする。ひとりの常連さんとは明日の日曜日の港で開かれるカオスな朝市の話とか。青森のこと八戸のことなど教えてもらう。あるカップルは結婚を申し込むため両親とお会いしたその日の夕食なのだという。私達夫婦は旅の途中の通りすがりの旅行者。一緒に居合わせた地元の人と、なんてことない会話が記憶に残ったりするし、さまざまな想像力をかきたてられたりするのが面白いのだとおもう。
確かに「ありきたりの日常を手放し、自分の想像力を自由に発揮する」機会っていうのも必要だな。とあらためておもう。