地車とマッキントッシュ
鐘と太鼓が鳴り響き、3年ぶりに地車(だんじり)が、まちなかを駆け巡った今週。木村工務店前に地車が停止し、2階事務所にいた社員が1階の路面に集まって、地車の頭(カシラ)の威勢の良い『打ーちましょ』の掛け声と皆の手拍子「ドンドン」、『も一つせ』「ドンドン」、『祝ぉて三度』「ドドンがドン」と大阪締めで祝う。粛々とした気分を皆で分かち合うのが心地良い。
木村工務店の氏神さんは清見原神社で、この地域には地車が4台あって、それぞれの町の若者が地車を曳いて回りながら、氏神さんの福を町中に撒いてまわるのが、地車のひとつのありようにおもう。祝儀を渡し皆一緒に大阪締めをし福を分かち合う。久しぶりに町のなかに鐘と太鼓と掛け声が響くと、まちの邪気が払われ清らかになったような気がした。
木村工務店では先々代から清見原神社の建物に関わっていることもあり、氏子総代会の一員として木村家のバトンを繋いでいるが、お祭りの前には氏子総代会の数名が神社に集まって町の安全無事を祈願する。町のことを祈っている人達がいる。そんなことが綿々と続いていたとは総代会に参加するまで知らなかった。今年は巫女さんの神楽も奉納された。そういう役目を引き継いでいこうとする若い女性にバトンが渡った姿に接すると不思議な感覚になる。
それはそれとして。その巫女さんが振るう神楽鈴が心地良く雑念が払われ頭がスッキリとした気分になるのは、きっとその音波に科学的な根拠があるのだろう….とググってみると「ソルフェジオ周波数 528Hz 癒やしの音」なんてでてきたが、よーわからず、ほどほどでこのネットサーフィンはプルアウトした。
その「音」ついでに。生野区の「BARソケット」の大熊さんが、マッキントッシュ240という真空管アンプを手に入れたというので、視聴にいく。とにかく真空アンプとしてのデザインがカッコエエ。フツウは背後にあるコネクター類が左サイドにあってそのテーパーの角度やコネクターのデザインがモノ心を刺激する。スピーカーALTEC A7とのマッチングも良くなって音もシュッとして響きすぎるわけでもなく低音もフツウに輪郭のある音がそこにある感じで、良い音のスタートラインというかスタンダードを視聴した感覚。
建築でも良い建物としてのスタートラインに立つようなスタンダードでフツウに良い家が工務店の仕事なのかとおもえるが、今はそんな家造りがハウスメーカーで、工務店はそんなスタンダードで良い家を理解したうえで、それぞれのお客さんの個性を反映させていくのが、これからの工務店のシゴトのような気がする。心地良い「音」と心地良い「家」。どちらも奥深い。
木村工務店では8月11日から17日まで夏休み休暇を頂戴します。皆さん良い「夏」をお過ごし下さい。