DX化と企業文化・風土
コロナ感染拡大の影響が木村工務店にも襲ってきた今週。油断していたわけではないが、唐突に、社員とその家族が陽性者や濃厚接触者になって、自宅待機者が3名になり、流石におもうように仕事がはかどらない状況。日本の会社のどこにでも起こっている現象のようだし、フェリーとかバスも一部運休しているようなので、陽性者の自宅待機の期間設定をもっと短く設定してもエエのではないかとおもう。重症者以外もうPCR検査は必要ないような気もする。
皆で助け合ってこの状況を乗り越えていくしかないが、こういう状況の時に、業務の助けになっているひとつにDX化があるとおもう。DXとはデジタルトランスフォーメーションの略らしい。経済産業省の定義では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」となっている。
木村工務店ではサイボウズというスケジュールや掲示板を共有出来るソフトを1998年8月から運用してかれこれ24年近くなる。現場の報告などは掲示板を使って共有しているので、それなりのDX化の歴史はあり、社外からスケジュールや現場報告を共有できることが、会社ではあたりまえのコトとして定着しているが、請求書は、いまだに紙で、DX化にはほど遠い感覚だった。
それが電子帳簿保存法とやらが2024年から本格的に施行されることになって、その対応を今年の春から数ヶ月模索し、先月からデジタル化による請求書を回覧する仕組みを社内で構築して試験的に運用を開始したばかりだった。それまでは画板に現場ごとの紙の請求書をバインドし印鑑を押して回覧していく昭和的な仕組みで、机に積み上げられた請求書の画板が月末の社内の伝統的な光景だったが、先月からパソコン上のデジタルな回覧になってプロセスが大きく変化した。それによって出勤できなくても社外から請求書を査定できる仕組みになり、働き方改革としてコロナ自宅待機者に少々の貢献ができたのかもしれない。
zoomによる打ち合わせがフツウな感覚になって、遠く離れた人と移動しなくても時間だけ共有すればどこででも打ち合わせが可能になったのは素晴らしい進化だとおもう。その経験を通じて最近社内で取り組んでいるDX化に、現場監督や設計担当者が現場の状況を携帯電話の動画でリアルタイムの報告をする仕組みで、その時はzoomでなくwherebyというソフトで現場の定例報告を実施している。社内の誰もが経理の担当者でも現場の状況をリアルタイムで一緒に共有することで、なによりも、ものづくりの「感覚の共有」をできることが大切な感じがしてくるし、社内に建築という「ものづくりの一体感」のようなものがうまれてくるような気がする。
たしかにDX化が企業文化・風土の変革に繋がれば…..とおもう。