明日香の古墳と二上山
5月なのに夏日の日曜日。こんなタイミングで自転車に乗ってしまったことに昼前頃から後悔の念が浮かんできて、昼過ぎてからは暑さでアップアップする。サイクルコンピューターのガーミンの記録を後で確認すると、最高温度は42℃になっていた。どおりで、しんどいはずだ。
帰り道の竹之内街道沿いで脱水症状ぽくなって水分補給をしようと自販機を探す。なんとなくこの自販機ではなくと通り過ごす。また次もスルーする。4つほどの自販機をスルーして、さしたる意図もなくその自販機の前に自転車を止め、サドルに股がったままジュースを買う。何気に前方をみると5mぐらい先にお地蔵さんとポケットパークの木陰があって、買ったジュースをそこでほんとにガブガブ飲んで暫し休憩した。喉も潤い涼しくて助かった感がし、隣のお地蔵さんの案内版をみると、役行者が旅人のために水場を探り当て、街道を往き来する旅人はここでしばし道中の安全を祈り喉を潤した。と書かれてあった。役行者に助けられた気分になった。
明日香には一年に2回ほど自転車で訪問する。何回訪れてもあの周辺のランドスケープと空気感は独特で好きだな。今回は「牽牛子塚古墳」(けんごしづかこふん)と読むらしいが、その完成したばかりの古墳を見たかった。八角形で凝灰岩(昔は二上山産)の切石だという。遠くから見ても「白い」。漆喰の白でもなく、ペンキの白でもなく、いまの時代でもモダンに感じるつや消しの白だ。宇宙船のようだ。当時のひとも、古くさく感じるようになってきた土で覆われた前方後円墳でなく、その当時のモダンな建造物を作って人々を魅了させたかったのだろう。と考えることにした。
↑石舞台と二上山
明日香の古墳で気になることは二上山との関係で、大阪側からみる朝日が登る二上山の雰囲気と奈良側から見る夕日が沈む二上山の雰囲気はまったく違う。古墳と二上山に沈む夕日はとっても良い取り合わせにおもえて、今回訪れたキトラ古墳もこの牽牛子塚古墳も裏山の木々がなかったら二上山が見えて、二上山からの夕日が、この凝灰岩のつや消しの白に吸い込まれ、独特のオレンジ色を発色をする八角形の建造物の姿を想像してみた。
想像力も朦朧とする暑い日曜日だったな…