「斜張橋」
2022年のGW後半も終わり木村工務店では5月6日金曜日から通常営業です。
5月4日5日と小学校からの同級生4人でしまなみ海道を自転車で走る。生口島にある輪空という宿に泊まって、輪空の親父さんも交えて、一緒に自転車に乗って島々を巡るのが、数年の恒例になっていたが、コロナ禍で休止せざるおえなかった。今年は久しぶりに世間の雰囲気が旅気分な連休になって、晴天と穏やかな気候に恵まれ、人出も多く、世の中全体が「ゴールデンウィーク」という皆で一緒に休日を楽しむむムードが漂い、ちょっとウキウキした気持ちになった。ただ人出が多すぎて渋滞に巻き込まれ、3時間のところが5時間かかったのはツラかったが、簡易な自動運転の進化のおかげで渋滞の疲労感は半分に減った。
ゆめしま海道を走り、この3月に開通した岩城橋を自転車で渡る。斜張橋だが、ちょっと今までの斜張橋よりシンプルな構造美を感じフワッとしてカッコエエのだ。建築出身なので、土木のことはまったく理解していなかったが、「混合斜張橋」というらしい。なにが混合かというと、橋桁がコンクリート桁と鋼桁が組み合わさっているという。その鋼桁の下部にテーパーが取ってあり細く見え曲線的な勾配もあってコンクリート桁より鋼桁の方が長いのでフワッとした印象を与える。斜材のケーブルの取り付け方がコンクリート部分と鋼材部分ではデザインが違って、鋼桁部分の取り付け方はいかにも鉄っぽいメカニカルな取り付け方でゴツゴツ感があるが、それはそれでエエ感じ。
↓ コンクリート部分を下から見上げると橋桁部分も塔部分も美しい。
ゆめしま海道の島々をつなぐ生名島から佐島に渡る生名橋も佐島から弓削島に渡る弓削橋も斜張橋だ。小ぶりの斜張橋を3連続で渡る。生名橋は日本で最初の混合斜張橋らしいが、岩城橋に比べ鋼桁部分が短いのでフワッというよりガッシリした印象。弓削橋は鋼桁の斜張橋らしい。斜材のケーブルの取り付け部分が民家やお寺の垂木や母屋の小口が露出するデザインに似た納まりで、リズム感がある。そういえば生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋も複合斜張橋らしいが、PC桁と鋼桁の取り合いは塔部で分かれているので判別しづらく、一体感があり堂々とした風格があって立派な複合斜張橋だなとあらためておもう。
↓生名橋(PC桁も鋼桁もケーブルの取り付け方が母屋の小口っぽいデザイン岩城橋に比べ鋼桁部分が短い)
↓弓削大橋(遠景で鋼桁橋のケーブルの母屋の小口っぽい取り付け部分はみえない)
↓多々羅大橋(橋のケーブルの取り付け部分は見えないデザインで岩城橋のようなゴツゴツ感がなくシュッとしながらも堂々としている)
なんて、斜張橋のコトをつらつら考えてみたのは、今回、岩城橋を自転車で渡った時にいままでにない印象を感じて、家に帰ってから写真を眺めググっているうちに知ったことで、これからは、さまざまな橋を渡りながら、もっと構造的なデザインに意識的になれたらとおもう。ちなみに、今回自転車で渡った来島大橋は吊り橋で、斜張橋と吊り橋の違いにこんなイラストがあった。
↓ 来島海峡(吊り橋)