雨降りだから美術館
雨降る日曜日。ゴールデンウィークに突入する前の週なのだが、ぐずついた天気の一週間になるらしい。木造住宅の上棟予定があったものの、棟梁が、構造材を雨ざらしにするのがイヤなので、ゴールデンウィーク明けに上棟をズラしたいと申し出た。それで施主に了解を得て上棟をずらすことになった。
昔は、ゴールデンウィークの休日でも仕事をしたい大工さんが多かったが、最近は会社の休みに合わせて休日を取る大工が増えてきたし、土曜日も休む大工が増えた。その分、工期は延びるのだが、時代の変化とともに職人さんへの敬意を含めて、施主の了解も得られるようになってきた。木村工務店では4月29日から5月5日まで会社はお休みを頂戴しますが、一部の現場は暦通り稼働予定です。
天気予報の進化によって今日の日曜日の朝から雨が降る予報だったので、前日の土曜日からアウトドアーに出る予定に諦めがついていたが、いざ日曜日の朝に目覚めると、やっぱり雨かぁ…..と再認識し、さて、どうしようかとおもいながらテレビを付けると、ウクライナ情勢の報道が流れ、憤りを通り越した諦めのようなムードになっているワタシがいて、その感情を跳ね除けるようにベットから跳ね起きて、久しぶりに朝風呂朝サウナに行くことにした。スーパー銭湯も値上げするらしい。1年前に比べ建築費もかなり上昇しているし、もはやインフレの世の中なのか?
雨の日の朝風呂が格別に好きだ。あと「雨降りだから」本でも読もう。とか。音楽でも聴こう。とか。大好きだったが、いつの間にかそんな感覚からどんどん遠ざかってしまったワタシを、いま、ちょっとずつたぐり寄せようとしているところ。なのに、庭を隔てて繋がるマゴ達が、雨だから退屈だぁ退屈だぁと朝から押し寄せてきて、本も音楽も吹っ飛んでしまい、一緒に新しくできた「中之島美術館」に行くコトになった。
現物を見るとフツウに良い美術館なのだとおもう。黒の外壁のテクスチャーが単調なのは「コストを調整したのか」「意図なのか」そこは知りたいとおもった。奥方と長男奥方のお目当てはその美術館内にオープンしたデンマークのインテリアショップ「HAY」を見るコト。コペンハーゲンの百貨店で見た記憶が残っているが、想像以上に日本での価格が高かった。そうそう、それとデンマークで訪れたルイジアナ美術館が最も印象深い体験で、食べたり寛いだりもできて一日過ごせる美術館だった。中之島一帯で、そんなふうになっていこうとしているのだろうか。散策できて寛げる文化的な良い街になれば嬉しい。
「モディリアーニ展」が開催中で、偶然マゴとモディリアーニのTVドキュメンタリーを一緒に見たので親近感が湧く。最近この手の展覧会に行くと必ずイヤホンを付けて解説を聞くようにしている。美術史のコトにまったく精通していないので、モディリアーニを中心としながらその当時のパリの美術界の解説が分かり易く、マゴ達もイヤホンを付けるとおとなしく聞いていたので妙な一体感がうまれた。
雨降りで、美術館という共有体験を持てたのが、心地良く感じる日曜日になった。