「ものづくりセッション」

「ものづくりセッション」を催した土曜日。生野区のものづくり企業の若手世代が中心で、デザイナーの方々や大阪市立デザイン研究所の面々も主なメンバー。行政のタケダさんが、個人的趣味として呼びかけて催す「セッション」で、ものづくりの立ち位置のそれぞれが、「まぁ俺の話を聞いてくれ」と、自分の想いをパワポでシェアーすることがキッカケになって、それにレスポンスし、それぞれが、あーだこーだと共感したり違和感を表現したりする「セッション」のような会合なのだ。

場所の提供とファシリテーターの役目を私が少々担うものの、ちょっとユニークな行政マンのタケダさんが扇の要になって、その人間力によって人が集まっている。それに同じ住吉高校の同窓生で、楽しく歩く人をふやす!というキャッチフレーズのリゲッタのタカモトくんと同じ同窓生のアパレル業界では陰で有名なジパングのマエヅカくんが、コメンテーターとして協力してくれるお陰でもある。

今回のプレゼンテーターのひとり、キムチの高麗食品のファンさんのプレゼンに、今後の目標というのがあって、①会社を永続させていくためにブランドを確立させたい。②従業員が安心して働ける会社にしたい。③子供が継ぎたくなるような会社にしたい。という。同じ中小企業の経営者で、まだ40歳台なのに、すごく素直で、まっとうな見解だな…って感心した。若い世代の参加者との交流を通じて、初心にかえってあらためて勉強させてもらっている。みたいな感覚だな…。

久しぶりの開催だったこともあるが、3時間近く誰も帰ることなく、ダレることもなく、終わってからも1時間近く立ち話と交流が続いたのが、嬉しい出来事でもあった。そうそう、その後、コロナ禍から久しぶりにオープンした生野区のバーソケットへ行くと、施主でもあるハセバさんが偶然カウンターに座っていて驚いた。一緒に飲んで音楽を聴く。再オープン1ヶ月ほど前に、スピーカーの置き場所とセッティングのサポートにお伺いしたが、ミュージックバーとしてリニューアルオープンしてからは初めて。「音」を楽しめる居場所があるのは有り難い。気がついたら次の日になっていた。

「ものづくり」にとっても近い位置で建築を完成させるのが工務店であって、その苦しみや喜びを内包しつつ、お客さまに喜んでもらえる建築を完成させ、持続可能な会社としてブランド力もあり、社員の喜ぶ姿があり、後継者になりたいとおもわせるような会社でもある。なんて、現実はコトバほど簡単ではないよね…。「ものづくり」にとっても近い位置で存続していこうと努力している会社の集まりが「ものづくりセッション」に参加している人たちなんだろう…。