「ドローン」
秋を通り越してもはや冬の始まりだな。ドローンワークショップを催した日曜日。そもそも工務店で、なんでドローンなのかっていうのもあるが、最近、竣工写真を撮ると、ドローンでも撮影しますよっと言ったのは、写真家の多田ゆうこさんで、写真ワークショップを一緒に開催し、木村工務店のホームページに掲載されている写真を撮ってくれいる女性カメラマン。住宅風呂巡礼という企画を一緒に遊んでくれた女性写真家でもある。そうそうそれに屋根の点検なんてますますドローンが必要な時代になってきたとおもう。
ドローンワークショップを一緒に開催した土林くんは、前々回の「まちのえんがわ」グリーン化計画ワークショップに参加してくれた縁で繋がって、その彼がドローンのプロフェッショナルだと知って興味が湧いて、一度遊びに来てほしいと頼むと、気軽にまちのえんがわにドローンを持って来てくれた。そうすると、ただドローンを操縦するプロフェッショナルだけでなく、自作でドローンを制作し、何よりも彼が持っているドローンの道具箱が格好良かった。なんというかものづくりの空気感があったので、まちのえんがわドローンワークショップを開催しようよっ!ということになった。
で、ドローンに興味を示すのはマニアックな若い男の子だとおもっていたら、参加者の多くがオトナの女性で、それも女のお子さんを連れ立っての参加者が多かった。ワタシここ10年ほど関西大学の木造設計製図をサポートしているのだけれど、近年ますます女性の建築を目指す学生が増えてきて、微妙な感覚で申し訳ないが、男の子より好奇心が旺盛なような気がするのだった。
若い頃読んだ本の一節に、食物には、口から入れる食べ物。鼻から入れる呼吸と空気。目と五感から入れる印象。というのがあって、食物を摂取しないと1週間後に死に、呼吸をしないと3分後に死に、印象を持たないと数秒後に死ぬ。みたいな表記があって、微妙にそのコトバの表現は違うのだけれど、ま、そんな意味では、常に好奇心を持ち続けることは、新鮮な印象を食べ続けて、生き生きと生きるために大切なコトで、今回のドローンワークショップの参加者は、そんな好奇心に従って素直に体験してみようとした方々だったのかもしれない。
意外だった事は、小学生以下の子供達が、最も操作しやすい簡単なドローンであれば、それぞれが操作できて楽しめるっという事だった。想定以上に、子供達が楽しんで、本当は、オトナ達がこっそりと楽しむはずだったのに、子供達が楽しそうにしている様子に、じっとオトナ達がドローン操作を我慢している姿が印象的だった。なので、参加者のほとんどが女のお子さんのために、そして自分のためにも、最も安くてプリミティブなドローンを買って帰った。
ちなみにワタシも孫達の喜ぶ姿とその家族が喜ぶ姿にほだされて、小さなドローンを買ってしまうことになったが、小さなおもちゃ的なドローンが浮遊する姿は小さな虫のようで、とってもカワイイのだった。昔の子供達はミニ四駆で遊ぶ時代だったが、これからはドローンで遊ぶ時代になっていくのだろうか。木造のトラスで組まれた加工場が、通り抜ける隙間がいろいろあって、ドローンサーキットとして最適であることを知って、いつか加工場が、ドローンの朝練会場になっているのかもしれない。
家に帰ってからも居間で2台のドローンが浮遊する1日だったが、その「浮遊感」に心地良さを感じストレスも一緒に空間に散逸していくような気分になるドローンワークショップだった。