映像
ジトジトと雨が降り続く今週。熱海の土石流の被害映像をツイッターでみると自然の脅威を感じるが、その背後に、土地開発という企業と人間が関与する問題が潜んでいるのかもしれず、工務店というものづくりの立ち位置にいると、「身につまされる想い」という感覚がやってくる。
先週は西成区の住宅倒壊現場の映像が流れた。数年前、木津川辺りの名村造船所でイベントがあった時。生野区の自宅から奥方と自転車でブラブラ出かけて、天王寺から飛田新地を抜けあの倒壊現場のすぐ横の道を抜けて天下茶屋から名村造船所までサイクリングしたが、あの天王寺と飛田の間に存在する断層はいつも不思議に感じていた。坂道というより断層的なのだ。そういえばその時、飛田新地に中国人観光客が沢山いてとっても驚いたのが幻のように感じるコロナ禍の今。
うちの庭に、そんなに好きでもなかったアジサイを今年育ててみると、梅雨のジトジト感を解毒してくれるような花の色合いに、心和ませてもらっているが、降水量の多い雨が降り続くと、こんな平地な庭の土でもとっても小規模な「土石流」になって、排水溝が土で埋まって、浸水状態になることがある。それを防ぐために、植木屋さんが、土中に排水パイプを埋め込んで、それなりの対策を講じていても、「排水」という問題はムツカシイ。植木屋さんの海平造園のオヤジさんが、この庭の下には、コークスが埋めてあるんやで、シャチョウのお祖父さんが、排水の事を考えて埋めたとおもう。と教えられた。そういえば、昔、親父から埋め戻しの土の値段が高い時は、この辺りはコークスガラを埋めて田んぼを宅地にしたそうや。と聞いた事がある。「土地」と「雨」と「排水」は侮れない。と、熱海と西成の映像から「工務店」という立ち位置を鑑みる機会でもある。
映像繋がりなんだけど。まちの園芸店を作るワークショップに参加してくれた、ドローン操縦士の土林くんが「まちのえんがわ」にドローンを持って遊びに来てくれて、加工場でドローン飛行を体験させてくれた。そんな縁で、10月にドローンのワークショップを開催することになった。ドローンの機械的知識からドローンの体験飛行と購入サポートまで、勿論ドローンからの映像も体験できる。加工場のあの空間はメルクリンという鉄道模型を走らせるために魅力的だと建築家の秋山東一さんから言われたが、ドローンを飛ばすためにもとっても魅力的らしい。シケインなんか梁から吊るして、ドローンの体験飛行で遊んでみようと思う。
建築の世界でも、屋根の調査などドローンを使いたいし、土地の現地調査の時に、ドローン映像を撮れたら、2階の窓からの視点なども体感出来てええだろうな…。この熱海の土石流でもこれからの作業にはドローン映像が役に立ってくるのだろう。それはそれとして、超小型のドローンを入れるツールボックスがプロっぽい道具箱でカッコ良かったのだ。操縦だけでなく、機械的と電気的知識も学べそうな空気感が伝わってくる道具箱で、ワタシもこのセットで欲しいなぁ…。