ワクチンとイベントとリスペクト

先週末ワクチン接種券が届く。同時に手元に届いた奥方が、明日近所のかかりつけ医のところに行くので、一緒に予約をしておくわ!という。第一回ワクチン接種日は7月20日頃になるらしい。遅いけど、ファイザーなので、ま、エエか。みたいに何となくモデルナよりファイザーの方が良さそうな印象を受けるのが不思議だ。今週月曜日の夕刻になって、一ヶ月も待つより、もっと早く打った方が良さそうに思えて、予約券のバーコードからスキャンすると、大阪市のインテックス大阪会場では、64歳以下の誰もが接種券さえ持っていれば接種できると知った。予約サイトを検索すると、翌日火曜日は午後7時以降は空きがあってガラガラだった。

家から車で30分。無料駐車場もあるという。でもモデルナやし。みたいな気分に一瞬なったが、ユーチューブやネットを見て、そんなのどちらでもよくなった。携帯からその場で翌日の午後8時10分に予約する。当日、緊張感みたいな気分もちょっとだけあって、早く出かけ30分ほど前にインテックス大阪に到着し会場に入るとガラガラだった。親切丁寧で迅速な職員の方々の対応で各部署を転々と回りながら、あっという間に注射器が左腕に刺さり、はい終わりました。とあっけなく終了した。15分ほど経過観察を待つのが唯一の待ち時間だった。オリンピック開幕前には2回目の接種が終了している予定だが、2日間ほど左腕に筋肉痛が残り、ちょっと船酔いしそうになる前の兆候のような気分。のような気もしたが過敏症的気のせいだろう。その週は、企業接種のお誘いが2団体からかかってきて、社員や職人さんが望むなら、早めに職場接種を実施しようと思う。

26日土曜日の夜。ツール・ド・フランス開幕の第一ステージをJスポーツで鑑賞すると、沿道には多くの観客がいてほとんどがマスクなしで大声援を送っていた。日本のオリンピック騒ぎが馬鹿げた姿に思えるほどの光景に唖然とした。スポーツ競技として、大規模な2度の落車事故やゴール前登りの圧倒的パワーのアタックなど見どころもあったが、街並みと建築を眺める楽しさが半分を占める。ジロ・デ・イタリアでの街並みが「ベージュ」だったとするとスタート地点のフランス西端のブレストの街並みは「白」かった。

そうそう、沿道の観客が掲げるプラカードに選手が接触して大規模な落車事故が発生したが、そのニュースをみると「選手も沿道の観客へ注意を払わなくていけないが、ファンも選手に注意を向けて欲しい。選手へのリスペクトが必要だ」という選手へのリスペクトという表現が欧州的で興味深かった。

本日日曜日は、谷口智則さんの藍染めTシャツを製作するワークショップを催す。緊急事態宣言が明けて、まんえん防止等……だが、コロナ対策を考慮しながらワークショップを開催することにした。Tシャツに谷口さんがクジラの絵を描き、そこに参加者が自分のデザインで絵を書き加え、藍染をし、完成させる。Tシャツを干す姿は「幸せの藍染めTシャツ」的雰囲気だった。そういえば、谷口さんに対するリスペクトを持った方々がお客さんだったように思う。

オンラインが続くと、人との直接的な接触がなくても良さそうに思えてくるが、谷口さんが発散する創造的なエナジーを受けて、参加者それぞれが応答しエネルギーを発散している姿に接すると、人間は対面でエネルギーを交換しながらお互いに生きる活力を得ているのだ。とおもえた。