コロナ禍の雨の日曜日をどう過すのか。
cloudyな日曜日。曇りそして雨そして曇り。そして外出が制限される緊急事態宣言のコロナ禍。こんな日曜日をどう過ごそうかとおもう。皆同じように悩むのだろう。アウトドアーに出ることができない。街にも繰り出せない。そんな状況下を家で過ごすのに、建築的にどのようにサポートするのかっていうテーマに関して、今週、町の工務店ネットの秋山設計道場で、コロナ禍を反映する課題があった。ま、木村工務店の設計スタッフは、そんなことより、フツウの家を造ることに短時間のエネルギーを注いで、全くコロナ禍的を社内で議論しなかった。
25歳から45歳ぐらいの20年間、家族と共に、ハイエースの小さなキャンピングカーで毎週のように車中泊やキャンプをして過ごしたが、晴れは晴れとして、雨の日の楽しみは、しとしと降る雨と、眼前のどんよりした山や川や海や緑を眺め、タープの下で、珈琲を飲んだり、持参した本を読んだり、静かに瞑想的に過ごしたりするのが、案外楽しいし、印象に残る雨のキャンプシーンが数々ある。
そんなのを家づくりに反映しようとして、かつて住んでいて、今、長男家族が住む家では、木組みにポリカボネードの屋根をかけた半屋外空間を造ったが、数年前に母屋をリフォームした家では、ちゃんとした屋根のある庇の長い半屋外空間を造ってアウトドアー薪ストーブを置いた。縁側的な1mぐらいの庇は、パッシブ的で日差しを調整するには快適だが、雨や日差しの中での「居場所」という感覚とはちょっと違う。2m以上のタープ的な庇がないと、楽しく雨の日を過すスタイルにはなれないとおもう。
以前の家のリビングには薪ストーブが唯一の暖房源で、その快適さに心和んだが、薪を準備する面倒くささとか、あと、大阪では、12月1月2月の3ヶ月がメインで、稼働率がそんなに多くないし、調理に使うのも限られてくる。そんなこんなで、アウトドアーの薪ストーブは、半屋外で、3月4月5月9月10月11月と6ヶ月ぐらい稼働できて、半屋外なので調理にも活用できる。今までの炭火で焼肉と違って、薪で厚鉄板で厚ステーキっていうのがスタイルで、薪ストーブの「火」が心も和ませてくれる。って言ったって、単にワタシ好みのスタイルの居場所だし、そういう個人的嗜好がいま的数寄屋なのかね。奥方は、家の中で、居場所を変えながら家事したりゴロゴロしたりするのが楽しそうだ。
以前の半屋外空間は、高さ700mmのテーブルと椅子だったが、今回の半屋外空間は、今風に、ロースタイルの高さ350mmのテーブルに低い椅子か無印のクッションにラグを敷き詰めて、ゴロゴロしながら過すスタイル。ここ数年のキャンプスタイルの変化が、家の屋外空間にも影響を与えたのだおもう。ま、そんな長く過ごせる半屋外の居場所のスタイルより、「緑」「空」「雲」「雨」「風」「太陽」「月」を眺められる居場所であることの方が大切なのかもしれない。特にコロナ禍で内省的な気分にバランスをとるためには、いつも以上に「緑」を眺めたくなるような気がする。「まちのえんがわ」が「まちのえんげい店」になってから、想定以上に多くのお客さんが、訪れるようになったのも「緑」の力なんだろう。
cloudyで雨降る日曜日の半屋外空間で一日中過ごしゴロゴロしながら本を読んだ。と言いたいが、iPadのKindleとか楽天ブックスとかの雑誌みたり、YouTubeみたり、SNS眺めたり、Amazonで購入考えたり、なんていうのが、今のスタイルなんだろうし、キャンプでも小型のバッテリーを持参するのが、必須のスタイルになってきて…。いやいやそんな話の方向ではなかった、コロナ禍故に必要とされる建築とは何なのだろうか…っていうテーマだった。土間があれば、ワタシは自転車の整備に使いたい。アウトドアーの道具も並べたい。小屋があれば男の秘密基地的に「モノ」に囲まれたい。なんていうのはワタクシ的男性的趣味嗜好のような気もするし、なんだかんだ。コロナによって家を楽しもうという人が増えてきて、家を居心地良くしようという人増えてきて、家に自分のライフスタイルを反映して、ちょっとお金をかけても良いかなっと思う人が増えてきたってことが、一番のコトなのかもしれない。ほんとそうなんかな半信半疑。