「ウッドショック」らしい。

コロナ禍のゴールデンウィークが終わり、木村工務店では通常通りの仕事が始まった。問い合わせや新規打ち合わせは通常通りにあるが、何だか、現場のムードが微妙。猛烈な職人不足だった大工さん達も余り気味だ。何より「ウッドショック」と叫ばれている、外国製の木材の供給が滞っているのだ。プレカット工場は稼働をストップしているという。それで、木村工務店では、この状況に応じて、新築木造住宅の構造材加工を大工さんによる手加工で、2棟続けて行うことにした。

ウッドショックが発生した原因は一般に、米国内での新築住宅需要の増加や木材相場の変動、中国の経済回復などに伴う木材需要増、コンテナ不足といった国外の事情で、日本向けの輸入材と原木の供給量が大きく減ったことにあると説明されている。

木造住宅の木材加工を昔のようなやり方で、棟梁が、柱や梁に、墨付けという木材に印を付ける作業をし、その指示に基づいて、大工さんが一本づつ鑿(のみ)鋸(のこぎり)金槌(かなづち)鉋(かんな)を使って手作業で加工することを手加工と呼んで、若い大工さんの中にはその作業に憧れて入社してくる職人さんもいる。プレカット加工という大型機械による加工が主流になったいま、手間と金額が余計にかかる手加工をわざわざすることが、ほとんどなくなった。それに職人不足だったここ数年は、手加工に何週間も時間を取られるより、現場が進む事を優先せざる負えないのが現状だった。

このコロナ禍によるウッドショックによって、徐々に徐々に材料不足の影響が表面化してきているが、それとは裏腹に、米松材にその供給量も価格の安さもその主役を奪われていた国産木材の杉や檜材に再び脚光が浴びるようになってきて、それがなんとなく嬉しい。大工さん達も久しぶりに手加工をして嬉しそうだった。木材を加工する心地良い「音」が加工場に流れているのが、会社に活気も与えてくれた。さて、この「ウッドショック」はどうなっていくのだろうか…。

本日は、住宅相談会があった日曜日だった。土地を購入して新築を考えている若い世代のAさんご家族は、土地の値段が想定以上に高い事にひるみ気味だが、その場で一緒にプランニングをし、それでもなんとか希望を繋ぎながら、新築住宅を計画していこうとなった。中年世代のBさん家族は、親から受け継いだ今住んでいる3階建住宅を全面改修する計画で、冬寒い夏暑い湿気る間取りが古い居心地良くない子供達が大きくなってますます住みづらいなどなど。家を快適にしてライフスタイルを楽しみたいという気持ちが伝わってきた。断熱気密も重視しながら、コスパの良いリフォームができればと即興で計画してみた。大阪都心のシニア世代のCさんご夫妻は、今のビルを壊して、木造2階建の終の住処の計画だった。大手ハウスメーカーの賃貸住宅+最上階に住む。っていうプランも残っているらしい。こんな時期だからこそ、ビルではなく、緑があり縁側があり国産材の木組みがある木造2階建住宅の街角があっても良さそうだ。

そうそう、ワタシたちもこのゴールデンウィークは、家を楽しむコトをいろいろ工夫した。昨年同様、半屋外に設置した薪ストーブにピザオーブンを乗せて、カプート社の生地から練ったピザを焼いた。今年は長男奥方がホームベーカリー機でこねてくれたので楽ちんだった。薪ストーブの上に厚鉄板を乗せて、極厚ステーキ肉も焼いた。ユーチューブを視聴するとさまざまな焼き方があることを知って、試してみたが、ワタシは、頻繁に裏返すパターンが好みだな。4日の晴天の日にテントサウナも試みた。今年は、大きいプールを設置し、快適さが向上し気分爽快になったが、水を入れるのに2時間ほどかかり、5日が雨予報で、夕方にはプールを撤収し、水を抜くにも2時間。テントも撤収し、薪の準備もそれなりにタイヘンだし、とにかく楽しむためには、面倒くさいを乗り越えんとアキマヘンな。

それにしてもあちらこちらで勃発する「面倒くさい」問題をいろいろ乗り越えなアカン世の中ですね。