コロナ禍の春らしい週

2週連続雨の日曜日。桜は各地で満開のようだ。久しぶりに「まちのえんがわ」ワークショプを開催した日曜日だった。

コロナ禍の中、どんなワークショップを、どんなふうに開催しようかと悩む。建築関係の職人さんたちが登壇するワークショプを開催するには、どーも職人さんのムードと盛り上がりに欠けていて、なので、木工作家の矢倉さんにお声がけしてみた。暫く悩んで、「スライドホイッスル」を製作するのはどうか。という。「楽器」という道具を作ってみるのは面白いし、過去には、建築家の林敬一さんによるカホンを製作するワークショプを開催したこともあり、割と簡単に製作できるので、それはそれで良さそうだった。

 

 

何より、丸いプラスチックや木でなく、アルミで角パイプだというのが、ちょっと建築ぽくって良かった。ウィンドウェイの穴を切り込み、斜めに削り出して、木のリードを吹き口に仕込んで、竹棒で音階を調整する。ヒューヒョロヒョロと音が出て、皆で「メリさんの羊」を大合奏した。

そうそう、今週の土曜日にお引き渡ししたマンションのリフォーム工事は、夫婦でスーパゼネコンの設計部に勤める方の自邸だが、キッチンの壁にアルマイトを使って、それが簡素だがどことなく奥行きがあってとっても良かった。アルミというとサッシュだが、サッシュ以外にアルミが面材として室内に存在するのがモダンかも。矢倉さんのスライドホイッスルは、アルミが線材の楽器として、室内にさりげなく置かれているのがモダンかも。

金曜日のお昼。お花見のお誘い。桜の木の下で宴会するには躊躇するコロナ禍のこの状況。昨年、生野区のK邸の蔵を改装工事したが、大きな大きなお庭とお屋敷があって、それをどうやって維持管理していくかと模索中のお施主さんが、まず、この蔵を潰すことは、なんとなく縁起も良くないし、再利用できるかどうかと問われて、大丈夫ですと答えたものの、ジャッキアップして土台から上を持ち上げて水平を調整し直したりで、かなりの時間が掛かって完成した。その庭に桜の木が数本あって、それを眺めて外でお弁当でも食べるのかと思っていたら、その蔵の大きな木組みの登り梁が鎮座するリビングダイニングで、出張シェフを招いてのイタリアンのフルコースだった。

お施主さん家族と、初めてお会いした、ガモヨンのワダさん。出張シェフを手配する「お届けリストランテ」のトウジョウさん。大阪特化の民泊運営会社「グレートステイ」のオオサキさん。地窓を開け放ち天窓へ空気が抜けるコロナ対策をとりながら、食べて飲んでマスクしてという、ちょっと刺激的なメンバーとの食事会だった。モダンダンスを習う娘さんが即興でダンスを披露し、その姿にホロリとするお母さんの姿にも出会い。今まで経験したことのないお花見スタイルだった。

土曜日。「まちのえんがわ」に造園のイエタニさんがワークショップの相談にやってきた。久しぶりに温泉ソムリエグッチも来て、「純温泉」についてのレクチャーをしてくれて、大いに盛り上がった。一気にリアルな出会いが増えてエネルギッシュになってきたら、大阪のコロナの感染状況がまた活性化してきたようだ。春らしい週だったがコロナ対応がまだまだ続く春だな。