リアル対面力

住宅相談会の日曜日。緊急事態宣言が解除されたからといって、その日から劇的に生活が変化がするはずもないが、なんとなく「フツウ」な感じになってきた。問い合わせや住宅の相談にお越しになる方々が増えてきて、っというより、この1年間がフツウでなく、相談会に参加する気分が制限されていたその事実にあらためて気付かされた。徐々にフツウな数の問い合わせに戻ってきた。朝10時から夕方の6時まで、「生身のヒト」と一日中喋り続けた、この一年間では珍しい日曜日だった。

午前中お越しになった若いAさん親子は、以前に新築工事をさせて頂いた家の娘さん夫妻だった。会社でお会いしてその事を聞いてビックリ。建築家の設計で木村工務店で施工した住宅だが、結婚して世帯を持ってからその家の良さに気づいたという。奥さんのご両親の近くで土地を探して新築したい。中古住宅でリフォームでも。っと探しているが、良い物件が出てこないという。自分のこだわりを反映した家に住みたいという若い世代が増えてきているが、想定している以上に土地の価格が高くなって、家そのものの建築費に予算を費やす事が出来ないと嘆く若い相談者が多い。政府が土地価格の上昇を土地の売買税緩和とかで土地価格を抑える方法とかないのかね。

お昼から植栽の家谷さんが「まちのえんがわ」にやってきて、ワークショップの相談を兼ねながら「まちのえんがわ」の商品棚を本屋さん的から園芸店的にバージョンアップし植栽をいっぱい置く計画で、あーだこーだと議論する。ついでに会社前にある、丁度いま桃の木が満開の長屋も園芸店的やカフェ的や飲食店的やギャラリー的やものづくりセッション的に改装し、新たな「縁」が生まれる新たな場がコロナ後に求められるのかどうか。そんなのを語り合うノンストップの2時間だった。

午後からの若いBさん親子も、大阪北部で土地を探しているが、どれも高くて、建築費に費やす予算が出てこないと、Aさんと同じように土地価格の問題で躊躇を繰り返しているようだった。あらためて中古住宅を購入してのリフォームの可能性を説明する。少なくとも1階はスケルトンリフォームをお勧めするのは、床や壁の健全性を確認し耐震性能や断熱性能を高めるためには必要な作業で、そんな意味ではキレイな改装工事がされていない中古住宅の方が今のニーズに合っているのだが、未だに改装工事済み直ぐ入居可。みたいな物件も多い。スーモによる物件の見方というか物件の見立てをレクチャーし、次回は、オンラインでの土地探し相談をすることになった。

夕方5時過ぎ、「摘み菜」の平谷さんが無農薬のお米を生産する女性を連れ立って「まちのえんがわ」にお越しになる。町のそこらへんの雑草は食べられるのだそうだ。妙齢の女性だが、コトバに洒落が混じって面白お可笑しく雑草をレクチャーしてくださった。近くの居酒屋「遊び菜」さんの紹介でお越しになった初めての方だが、話が弾んで、それに長男の奥さんが興味を示して打ち合わせに参加し、あーだこーだと縁側談義しているうちに、雑草を持ち寄りレクチャーをして食するワークショップを5月に開催することになった。

人とリアルな対面で会い。リアルな対面で会話をする。久しぶりにリアルな対面力をあらためて体感した日曜日だった。