水圧転写というものづくり
「水圧転写」ワークショップがあった日曜日。水圧転写というのは、水槽の上に、デザインを印刷したフイルムを浮かせ、その水槽に「モノ」をつけて、そのフイルムを纏わり付けることで、「モノ」の上に、さまざまなデザインを立体的に施すことができる技術で、もともとは大日本印刷が特許をとったとか。それを生野区にある「ビッグワンズ」という会社が、特殊なフイルムを開発し、汎用的にさまざまなモノの上に、立体的にデザインを転写できるようになったそうだ。
ビックワンズさんの工場にお邪魔すると、建築関係の「モノ」としては、マキタの電動ドライバーが、こんなふうに装飾されていた。現場では、どれがだれの電動ドライバーか迷うことがあるので、こんなのが簡単にできれば、電動ドライバーにも大工の個性が反映し、楽しいだろうが、水槽に浸すので、ドライバーを一度分解してからデザインを施すそうで、タイヘンなのだと…..。
「生野区ものづくり百景」の縁で「ビッグワンズ」のマツイくんと知り合ってから、暫くすると、うちの長男タカノリとマツイくんが親しくなって、「木」を使った水圧転写のワークショップを二人で模索しはじめた。水に浸すので、「木」との相性は余り良くないらしいが、兎に角、挑戦してみようということになって、近くに住むデザイナーのサッチーに依頼し、手で持てる大きさで木の小さなテーブルをデザインしてもらった。当日、参加者それぞれが、その2枚のテーブル板に、あらかじめ用意されたデザインのフイルムを使って、それぞれなりの編集作業をし、テーブルを完成させて、いろいろな角度で組み合わせてみると、こんな感じになった。
水圧転写と建築の若い二人の職人が、模索しながら始めた、初体験のたたき台的なワークショップだったので、こーしたらエエかも。あーしたらエエかも。と次回開催に向けて、課題を模索する姿がエエのだろう。これをきっかけに、さまざまな、ものづくりの職人さんとのワークショップを企画してみたいものだな。
そうそう、「まちのえんがわ」から「ビッグワンズ」さんへ、自転車で移動する道中に「リゲッタ」さんの会社の裏を通過すると、タカモト社長が、ひとりで、木型のものづくりを楽しんでいた。普段は社長業でデザインできる時間がないので、日曜日のこの時が、前の夜からワクワクし、朝からお昼ご飯も食べず一心不乱でものづくりをしていたそうだ。その姿、ちょっとカッコエエ。夕方、帰りに立ち寄ると、まだ、やっていた…..。
ちなみに、今年初め、地元生野区から世界に向けて「楽しく歩く人をふやす」をコンセプトにする、リゲッタ生野本店の店舗造りを、木村工務店の設計施工で協力させて頂いた。
「日本のものづくり」なんていうコトバのイメージが、これから、どんなふうに変化していくのだろうか…..と、ふとかんがえてみた、日曜日のワークショップだった。そうそう、ワークショップ終了後は、家族と共に「まちのえんがわ」のアオキさんも交えて、慰労会をし、先ほど製作したテーブルが、こんな感じで活躍した。