猛暑の落葉とマジックアワー
残暑。今年はセミも鳴けない暑さのようで、これだけ暑いとセミの大合唱が聞こえない朝なのだ。それでも、どことなく、秋が忍び寄ってきているような気配も感じて、庭のヤマボウシが大量に落葉した。自ら散髪するように葉を落とし、身軽になって、この猛暑を乗り越えようとしているのだろう。
そうそう、この猛暑と超晴天のお盆休暇に「マジックアワー」に遭遇し、青とオレンジの光に包まれるほんの数分間を体験した。瀬戸内の島々とのコントラストが美しかったが、こういう時は、ほんの一瞬、いままで体験した、夕日を想い出したりする。子供達とキャンプをして能登の海岸で見た夕日とか。コペンハーゲンでレンタル自転車に乗って橋の上で遭遇したマジックアワーとか。そういう、その当時の時間と空間と心が、タイムトラベルのように、一瞬だけ繋がって、走馬燈のようにワタシの回りに、その時空間がスーッと流れていく感覚がオモシロイ。その時一緒に居た人とその当時のメンタリティーも記憶に残る。
それに、だいたいこういう現象を見た時は、その場では、映画みたい…..なんて非現実感を感じたりし、その一瞬、全ての記憶のようなものを失い、感動的な高揚感というより、静けさと共にある瞑想的な感じがエエのだろう。あとから想い出したり、写真をみたりで、ジワジワ実感が湧いて、感動的な想い出として定着していくような気がする。
活発な動きを抑制されている「withコロナ」の世の中の空気感と、「コロナ」で、乗り越えていく課題のようなものが、いっぱい提示されたような感覚もあって。葉を落とすとか。日が沈むとか。そんな自然現象とそれに付随する美しさが、こういう微妙な心身を癒やしてくれるのかもしれない…..。