「ものつながり」と「感謝状」

冬らしい寒さが続く。ようやく今日は寒いねっていうコトバを発する日々。「初午祭」という木村工務店のルーティンがあって、今年の初午は、今日の2月9日日曜日らしいが、だいたいその前後の土曜日の夜に、協力会社の集まりの精親会の職人さん達が集まって、祈願をし、会社の現状や課題をお伝えし、懇親会を催す。1957年に初代木村精一が今里新地の料亭で始めたということで、63年間続くものの、何回か開催しない年もあったらしいが、ここ数年は、木村工務店の加工場で催し、昨日2月8日土曜日がその初午祭だった。

豊作を祈る初午の風習にあやかって、安全祈願と商売繁盛を祈るわけだが、プロジェクターとパワーポイントという現代的な道具のおかげで、ビジュアル的になったので、職人さんたちに、それなりに伝えやすくなったが、「可視化」なんていうコトバがあるように、職人さんと設計者と現場監督が、さまざまな建築的な課題を可視化し、施主と共有するのは、もっとも大事なテーマでありムツカシイコトのひとつで、図面とか工程表とか見積書なんていう昔からある可視化し共有する仕組みがあるものの、現場でのディテールとか素材感とか雰囲気とか価格感などなど、表現しにくいものを、施主の共感を得るために、どのように可視化し、親切丁寧なコミュニケーションとものづくりを続けていくのかが、共通の課題のひとつで、懇親会の話題だった。

「ものづくり」と「ものつながり」なんていうコトバもテーマのひとつで、うちの初代も、建築というものづくりを通じて、お互いに繋がりをもつコトを大切にしたかったのだろう、精親会という「ものつながり」を意識する儀式のようなものが、木村工務店の社員と大工と手伝いと協力会社の職人さん達が集まる初午祭なんだろう。

木村工務店の加工場で催すようになってから、職人さん達も気軽に出席してもらえるようになり、90名ほどの参加者で推移しているが、ここ数年、社員が、職人さんたちを「おもてなし」しようということになって、おでんや焼き鳥やあれやこれやと学園祭的なノリで、ま、キムフェスとでも言うのか、カウンターの中に社員がいて接客するスタイルで懇親している。今年は、食事の「おもてなし」だけでなく、職人さんに「感謝状」をお渡しする場にしようと思い立ち、63年間にわたり木村工務店の精親会に尽力して頂いている材木屋さんの岡房商店の岡本伸一さんと、鉄骨屋さんの横井金物の横井健次さんに、感謝状をお渡しすることになった。

紙の、いわゆる、あのタイプの、感謝状を贈呈し、額のなかに入って飾ってあるのに、ちょっとした違和感があったので、そのデザインをどうするのか、いろいろ考えながら、インターネットをみているうちに、アクリル板に文字を削って書く方法を知って、それで、そのアクリル板をはめ込む台座をどうしようかと思案していたら、そうそう精親会会員で、木製建具を製作してくれている川端建具さんに、建具の吉野檜材と木取りし易い材料寸法で依頼する事を思いついて、こんなデザインの感謝状になった。

これからも精親会初午祭を継続しながら、デザインをバージョンアップしつつ「感謝状」を贈呈し、「ものつながり」を、あーだこーだと意識してみたいとおもう。

< 次の記事
前の記事 >