木村家パッブリクビューイングとブルーノート・レコード

ラグビーワールドカップに熱中する今週。土曜日の日本対サモア戦は、うちの家のテレビの前に、長男家族がマゴ二人を連れて、4人でやってきて、それに、東京に下宿中の次男が、所用で数日前に大阪に帰っていたので、木村家パブリックビューイングに参戦し、そんなこんなで、始まる前からドキドキ感が高まってきて、それにしても、何はともあれ、ワタシの奥方と長男の奥方が、我が家のキッチンで、一緒に食事を作り、皆でテーブルに座って、一緒に食べ、もちろん、ビールを飲むのが、ラグビー観戦の所作らしいので、その作法に従い、ビールで乾杯し、お腹を満腹にして、皆で試合に臨む。

一喜一憂し、皆で、行けぇ!っと叫び、トライが決まると、ハイタッチをし、ワァァとか、エェェとか、大人達が叫ぶ姿を見ている、2歳と3歳の兄弟のマゴが、その勢いに乗せられて、ハイテンションで、ぐるぐると部屋のあちらこちらを走り回り、サッカーとラグビーの違いが判るはずもなく、サッカーボールを蹴ったり、クッションを持って走ったり、なんだかお祭り騒ぎな夜だった。何よりも、野球ともサッカーとも違う感覚で、女性達が熱中している姿が、エエなぁ…とおもうわけで、ガイジンとニホンジンが一体となって立ち向かう姿がエエのだろうか。奥方も長男奥方も、リーチマイケルが、果敢に立ち向かう姿に、カッコエエよねぇ…なんていう、愛情のこもったトーンが発せられるのが、この日本チームの良さなんだろう。

ジィー、と、試合の盛りあがっている時に、マゴの長男イッケイが、ワタシを呼び、オシッコでそうやから、便所に付き合って、という。攻める日本チームの映像に、後ろ髪を引かれながら、笑顔で一緒に便所に行き、ちょっと、待っといてぇ! というマゴの指示のもと、扉の外にいてると、ワァ!行けぇ!っという皆の叫び声があり、ヤッターァと拍手が響き渡り、サモア出身のラファエレがトライした瞬間だった。便所のマゴをほって、テレビのもとに走り、リプレイをみて、ワタシも歓声をあげる。サモア戦でサモア出身の選手が、先制トライをする、なんていうドラマのようなストーリーが、おもしろいし、試合後、サモアの選手が、ナイストライ!お前はサモアの誇りだ!と言ったそうな…。これからの日本の社会の在り様の、ひとつのモデルなのか…。

そうそう、普段は、施主との打ち合わせが、土曜日に集中するのだが、このサモア戦があった土曜日は、うちの社員の多くが、子供の行事ごとがあったりで、休みの社員が多く、打ち合わせが全くない、珍しい土曜日だった。なので、昼前後の時間帯が、ぽかっと空いて、それで、当日予約で、シネリーブル梅田で、「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」というドキュメンタリー映画を観る。木村工務店の社員紹介の「写真」は、ブルーノートのレコードアルバムから、それぞれひとつチョイスして、それぞれの顔写真を当てはめている。いかにも大阪人的ワルノリなんだけれど、それでも、ブルノートレコードのアートワークには、かなり敬意を持っているわけで、そのわりには、レコード会社の経緯は全く知らず、木村工務店との、勝手な関わりを考慮すると、観ないわけにはいかない。

映画終了後、若い4人ぐらいのグループの男子が、メッチャクチャエエ映画やったなぁ。観て良かったなぁ。なんていう感想を、その場で口にしたくなる、確かに、抑えきれないようなエエ気分になる、そんな映画だった。2週間ほど前に観た、三谷幸喜の映画終了後の気分とは、全く違う感覚で、どちらかといえば、ラグビーワールドカップでの日本チームの、これまでの3戦の後の気分に近い感覚だとおもう。

建築繋がりなネタとしてひとつ…。録音技師のルディヴァンゲルダーというひとがいて、昔からの、なちゃってファンなんだけど、どんな部屋で録音してたのかと、前々から、興味を抱いていたら、初期は、自分の家の居間で録音していたという、へぇーっとおもったが、後に、フランクロイド・ライトのファンで、その弟子に頼んで、11m(あってるかな)近くある、天井の高いスタジオを建て、方形的な屋根で、木組みの垂木の見える映像がでてきた。教会と間違えられることもあった…みたいな語りがあり、ほぉーっとちょっと唸り声がでそうだった。建築探訪として、そのスタジオに行ってみたい気分。それにしても、女性監督のソフィー・フーバーがエエよなぁ…。

ラグビーワールドカップとブルノートジャズから、エエ気分なギフトを頂戴した、そんな土曜日だった。