海外研修旅行

ひょんことから、建築の海外研修旅行に行くことになった。
きっかけは、秋山設計道場という工務店の社長さんたちが集まって、設計の研修をする道場のようなものが、弊社で開催されたのが、4月のコトで、その主催者の名古屋のコスモホームさんからお誘いを受けた。6月の10日から17日の一週間、全国の工務店の社長さんたちと一緒に、ピーターズントーとコルビジェの建築見学の旅をする!というのだった。

確かに魅力的だが、お盆とお正月とゴールデンウィーク以外で、長期の休暇を取った事は、入社してから一度もなかった。また、それなりに高いお金を払ってでも、社員や職人さんたちと一緒に、暦どおりの休暇をとるコトを良しとしていたので、世間と一斉に休みを取るなかで、混雑を、計画と予約と移動を工夫して、旅をするのが楽しみでもあった。

なので、魅力的だが全く行くつもりはなかったが、即答のように、後押しをしてくれたのが、奥方だった。秋山設計道場のメンバーの人柄と雰囲気を先日の設計道場で、知ってくれていたからだろうが、ワタシの躊躇する気持ちをプッシュし、ポーンと前に押し出してくれた。それで、スケジュールを調べてみると、少し調整をすれば、参加できる可能性があり、なによりも還暦を過ぎて60代となったコトで、私と会社と社員との関係性をバージョンアップする必要性も感じていたわけで、こんな機会をきっかけにするのも、良さそうに思えた。

そんな気分を察してか、長男タカノリが、行ってきたらぁ…と、後押しをしてくれたのにも少々驚いたが、ま、そんなこんなで、今、フランスで、モンサンミッシェルを見学し、パリへ戻るバスの道中で、このブログを書くワタシ。

初めての団体海外旅行なので、ゆったりした気分でいたが、旅は想定以上にハードで、早朝から起きて、バスやTVGで移動し、個人の旅では簡単に行けそうにない場所へ、積極的な移動を繰り返す。時間厳守は勿論だが、メンバー全員の自覚もあって、スムーズに進むのだが、それよりも、旅行社の方がしっかりしていて、それに建築好き方なので、雰囲気良く行程が進むのには、旅行のプロとして学ぶべきものがあった。そうそう、何よりも、現地のガイドを担当する方々が、どなたも優秀な方々だったので、個人旅行では聞けないようなスイス人やフランス人のメンタリティーのようなものも知れ、途切れることのない名調子な解説と共に、こんなのが、研修旅行としての、団体旅行ならではの魅力なんだろう。

ドイツ、スイス、フランスと旅をし、ピーターズントーのベネディクト教会と、コルビジェのロンシャン教会を見学した。ビトラ社にある超有名建築家の建物とスイスの住宅展示場も視察し、スイスのザンクト・ガレン、シュタイン・アム・ライン、ミュールーズの町を歩き、TVGで、パリに辿り着いた。ルーブル、コルビジェのサボワ邸、ベルサイユ宮殿を解説付きで見学した翌日の今日、パリとモンサンミシェルを往復する長距離バスの道中で、男女二人の運転手が交わすフランス語の会話が、囁くような心地良いメロディーとして聴こえる、いまとここ。

明日パリの街を見学し、帰国予定だが、それにしても、こんなちょっとハードで内容の濃いツアーを企画したコスモホームの社長に感謝したい。