ピザとイチロー

21日春分の日。朝は生憎の雨だったので、家で過ごす。本とか。音楽とか。なんていうイメージだったが、モーニング珈琲でも飲みながら、雨だし、夜は、孫たちと、薪ストーブで、ピザを焼くのもエエなぁ…と何気なく考えていたら、「まちのえんがわ」ワークショップで、生地造りからビザのワークショップを何度かやっていて、どんな配合で、どうやって生地を作るのかと、想い出そうとしてみたが、料理が苦手な私の記憶は曖昧で、全く想い出せず、そういえば、最近は、テレビ画面で、YouTubeを見るようになって、美味しいピザの作り方。と検索してみると、さまざまな生地造りの映像が次から次に流れて、視聴しているうちに、料理ベタな私でも、なんとなく出来そうな気分になってきた。「映像の力」ってすごい。

奥方もその気になって、材料を買ってくるわ!と家を飛び出していった。私は家に残って、そのあとも、ひたすらYouTubeから流れるピザ生地の作り方の映像を見続けたが、そういえば、映像のひとつに世界一のピザ職人が日本人にいることを知って、その方が修行したナポリのピザ屋さんがあり、そのナポリの親方の職人さんが、元いたお店が、アメリカ大統領ビル・クリントンが、訪れた店らしく、そういえば、ピザ好きの長男と、イタリア山岳都市旅行をした時に、そのナポリのピザ屋さんで、マルゲリータを食べたことを想い出した。そうそう、先週、Netflixに、Jazzのジョン・コルトレーンのドキュメンタリーな映像があって、その中で、ビル・クリントンが登場し、コルトレーンを語っていた。意外なところで、意外なひとと遭遇する。ピザとジャズに関わっていたクリントンか…。

テレビ画面を見ながら、分量を計り、小麦粉をふるい、ドライイーストや、水や、塩や、オリーブオイルや、混ぜて、こねる。こねるのタイヘン。前掛け姿がまったく似合わない私。夜に孫たちが、帰ってきて、発酵の時間が短く、中途半端なうえ、生地を上手く伸ばすことも上手くできず、ま、そんなこんなで、焼いて食べるものの、美味い!という声にならない味だったが、それでも、それなりのディナーとなった。なんというか、そういう、静かに、趣味的に、ものを作ったりする時間が、楽しいし、ある種、瞑想的な時間なんだろう。

   

  で、その夜。作り疲れで、眠りにつこうかと、おもったら、イチローの引退会見が、始まった。あらためて、凄いなー。球場の雰囲気の独特な感じ。選手交代を告げられ、ダグアウト前で、選手ひとりずつとハグをするシーン。まるでロックスターのようなアンコールに応えてイチローが登場するシーン。インタビューでのアナウンサーとの受け答え。間。あれだけ簡単にヒットを打っていたイチローが、最後の最後、簡単にヒットを打てなかった。そのことそのものが、素敵だとおもわせる、生身な感じがエエのだろうう。修行僧の万行と満行だなぁ…。

引退翌日の夜は、イチロー現役引退記者会見ノーカット版をYouTubeで見た。「努力」するエネルギーを皆に与えるよね。