黄・赤・緑

めまぐるしく変化する日曜日の天気。朝、曇っていたが、雨は降りそうになく、天気予報も曇りだったので、久しぶりに自転車に乗って、十三峠に向かう。司馬遼太郎記念館の前を通ると、菜の花の鉢植えが、街路に並べられて、美しい。2月12日が司馬遼太郎の命日で、菜の花忌として、好きだった菜の花を記念館に飾っていたのが、街に菜の花を咲かせよう!と周辺のまちまで、広がったらしい。ひとりの小説家の「好み」が、まちの人にも愛されて、まちが黄色く彩られる美しい光景が、シンプルな「まちづくり」の見本のようなもので、きっと、この黄色い景色を見たいという気持ちが強かったから、うっとしい天気にも関わらず、早朝から自転車に乗ったのだろうな…。

久しぶりに十三峠を登ると、やっぱりしんどい。体重が2kg増えたのも徐々に堪える。心拍数が170前後で、ハッハッいわない程度のスピードで、ゆっくり登った。駐車場に着くと、パラパラしてきて、天気予報は曇りだったのに….とおもいながら、家まで戻ることにし、同じ峠道を下る。桜は、まだまだだが、サンシュウの群落が黄色く咲き誇る谷筋のガードレールに自転車を駐めて、暫く眺めた。数羽のウグイスの鳴き声が、遠くで、こだまして、ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、…、ホー….。まだまだこれからだな。どんどん上手くなっていくのだろうな….と聴いているうちに10分ほど経過した。

家に戻って、お風呂に入って、ワークショップでルプラ珈琲のニシミネさんから教わったように、ドリップで珈琲を入れて、モーニングを食べていると、勢いよく雨が降ってきて、天気予報がハズレたぁ…自転車に乗り続けなくて良かったぁ…とおもいながら、庇から雨が落ちる様子を何気なく眺めて過ごす。日本映画に、軒から雨滴が、したたり落ちるシーンがあるが、最近の住宅は、樋を取り付けるので、家の中から、ポトポト雨が落ちる姿を見ることは、ほとんどなく、それで、うちの家の、リフォーム前からあった中庭に、樋のない小さな庇を取り付けると、壁を伝う雨が、庇からポタポタと、落ちるシーンが生まれて、「中庭」というプランが持つ性質からしても、「眺める」という納まりを優先する部分もあるので、偶然性も含めて、リビングのソファーから、雨を眺める中庭となった。

そうそう、今週、還暦の誕生日を迎えて、庭を隔てて同居する、長男家族の孫と一緒に、ケーキのローソクの灯火を吹き消したが、流石に、50歳の響きと60歳の響きは、かなり違う気分で、還暦誕生日の一日前は、ほんのちょっとセンチメンタルになりながら、今までのコト、これからのコトを、それとなく考えてみたが、誕生日当日は、あたりまえにフツウなわけで、「赤いちゃんちゃんこ」と「赤い帽子」を身にまとい、2人のマゴと両手を握って、ハッピーbirthdayを歌ったのが、確かに、記憶に残る誕生日となったが、生まれ変わって、リセットボタンを押して、リスタートをきれたら嬉しいと、願う気持ちもあるわけだが、数日たち、淡々と粛々と日々が過ぎていき、いま、雨滴が落ちる様子を眺めながら、ありきたりに「いまとここ」をしっかりと生ききるしか….なんていう気分。

帰省していた次男は、設計事務所のアルバイトが、提出期限が迫って忙しく、戻ってきて欲しいとお呼びがかかったようで、還暦誕生日を振り切って、東京に戻っていったが、誕生日に、建築の本を私にプレゼントしてくれて、まさか、息子から、建築の本をもらうなど、想定外だったので、この雨があがるまで、その本を読んで過ごした。

 

    

昼過ぎて、雨が上がった頃を見計らって、造園の家谷さんが花宇さんと主催する植物の展示即売会に、奥方と味園ユニバースにいく。とっても雰囲気のエエ、気持ちの良い空間。元気の良い植物の力って凄いね。手頃な価格で欲しいのは売約済みだった。これっっとおもうやつは、高価すぎて、すぐに買う決心がつかなかった。奥方が、手頃でフツウな植物を3つほどゲットして、法善寺横町近くのインデアンカレーを食べて、地下鉄小路駅の階段を上がると、夕立のように激しい雨が降っていた。

雨上がり、夕日に照らされて、テーブルの上で、ゆらぐ、木々の葉っぱを眺め。めまぐるしく変化した天気を可笑しくおもい。さまざまな色を見た日曜日に感謝した。もうすぐ春分だな…。

< 次の記事
前の記事 >