ワークショップ的コミュニティー

建築家のヤベさんによる、ケンチクイスのワークショップがあった日曜日。「仕口がない。曲げがない。仕上げがない。」という、椅子を制作するプロが使う技術を全く使わず、誰が造っても高いレベルで完成できる椅子を、「ケンチクイス」と、ヤベさんが名付けていて、2012年から2018年の今年で、7年連続のワークショップとなって、その間、3種類の椅子がデザインされたが、毎年、新しいデザインを考えてこられるのかと思いきや、BB1と名付けられたデザインの椅子に、クッションを付けたり、脚だけにソックスのような白い色を付けたりと、バージョン違いのワークショップが数回あり、今回は、BB3というタイプの椅子に、グリーン色の型枠用合板を使って、制作する、バージョン違いのワークショップで、これって、漫才のジャルジャルが、同じ笑いを、微妙な変化で、繰り返し繰り返し使うのと、同じ意図なんですよね、ヤベさん。

ワークショップの後は、恒例のバーがあって、参加者の懇親会というよりは、バーテンのヤベさんのもとに、ウダウダ言いに、集まるっていう感じで、ほとんどが、ワークショップに参加していない、顔見知りの人達で、これだけのために集まって、アーダコーダと時間を過ごすのだけれど、ごくたまに、迷いこんだようにふらっと入ってくるひとがいて、今回は、布施のおもちゃ屋さんのご主人が、立ち寄られて、小さい頃から、何度もお店の前を通過し、何度かおもちゃを買ったり、トランプを買ったりした、そのお店のご主人と、こんな「コト」を通じて、出会ったりするのが、オモシロイデキゴトで、ワークショップが、新たなコミュニティーを生んだりするのが、現代的な面白さなんだろう。

ここ最近は、夜遅くなると、ワークショップを開催している加工場の前の、うちの家に移動して、2次会的に、話が繋がっていく流れがあって、四方山話が続いて、気が付けば、残った何人かは、午前0時を回っていて、あたふたと散会しながら、このブログを書く状況のワタクシで、そういやぁ、どんな話で盛りあがったのだっけ。

そうそう、シャチョウ、シゴトに燃えた時期ってありますか。なんて聞かれた、シゴトとライフスタイルな話。そうそう、建築の空間的には、向かいの以前住んでいた家のほうが断然エエけど、こっちの家の方が素材が圧倒的に良くって、それが居心地良く、素材って凄いな…。なんていうケンチク談議。そうそう、家で、皆で一緒に作る、餃子パーティー新年会にしましょうよ。というパーティーな話。そうそう、以前、続けて何度かやったように、また、名店を予約して、皆で一緒に食べに行きましょぅよ…。じゃぁ、1月の新年会として、8名予約してみますわ…。なんていうグルメ探検ツアーな話。

そうそう、座敷の前の中庭に、造園のイエタニさんが、常滑と信楽の陶器をオブジェのように設置してくれて、それが、皆に、微妙な違和感や共感を呼び覚ましながら、コミュニケーションを誘発させて、先日の忘年会のあとの座敷de談議も、このオブジェに誘発されたのだろうし、今日も、製作者のイエタニさんを交えて、座敷に座わってのコミュニケーションが活性化されて、共感だけでなく、ちょっとした違和感も大事で、それって、岡本太郎の太陽の塔も同じニュアンスじゃぁないですか…っていうのが、印象に残るコトバで、そういえば、あのモダニズムのシュッとした丹下健三のお祭り広場は消滅し、怪物のような、太陽の塔は、再び人気を得て、未だに存在しているわけで….。なんていうゲイジュツな話題。

「スポーツ」の後にも、こんな「ノリ」のような波が発生し、コミュニティーが活性化する時もあるが、「モノを造る」っていうワークショップの後にも、やっぱり、「ノリ」のようなものが、波のように、押したり引いたりして、そんななかで、共感や違和感が生まれて、物事が動いていく時があって、そんなワークショップ的コミュニティーが発生した日曜日だった。