3「音」
瓦コースターワークショップがある日曜日だったが、地震被害と台風被害が相次いで、瓦屋さんの現状は、タイヘンらしく、うちの瓦屋さんも、現場の施工以前に、見積を出すコトが儘ならぬ状況で、それで、見積を出してもらうために、番頭さんをうちの会社に来てもらって、現場監督や設計担当者が撮影した写真と寸法を見せて、2時間ほど、缶詰状態で、見積をしてもらうという作業が、精一杯な状況で、そんなこんなで、瓦に関係するこのワークショップは、早々に中止となってしまった、そんな日曜日だった。
ワークショップが中止になったので、コトバノイエのカトウさんから、「The night of voice 02 at 箕面の森 」というポエトリーリーディングのこんなお誘いがあった…..
□ 催しのお知らせ
秋の夜に、言葉を聴く。
人の声の響きに、耳をすますひととき。
詩だけでなく、小説の一節や歌詞などを、ぼくの知っている素敵な人たちに詠んでいただこうということではじめたこのポエトリーリーディングなんですが、今年は縁あって箕面の滝道にある音羽山荘で行うことになりました。
音羽山荘は、大正15年に建てられた木造の邸宅と美しい石組みの庭園に4つの客室を配した和のオーベルジュともいえるちいさな旅荘、10月は箕面のシンボルともいえる紅葉がちょうど色づきはじめる一年でもっとも美しい季節です。
風のざわめき、虫の声、そして蝋燭の灯り。
古色豊かな庭園の夕暮れから夜にかけてのしっとりとした雰囲気の中で、きっとふだんあまり耳にすることがない「人の声の響き」を、五感で感じていただけるのではないかと思っています。
また、この音羽山荘では「美・感・結・味」をテーマにBOOKS+コトバノイエで選書させていただいた本棚「森のライブラリー」がこの秋に完成し、一般の方には開放することのないそのカフェ/ラウンジスペースも、このイベントのためにオープンしていただきますので、本の世界も合わせてお愉しみください。
コーヒーは、豊能町のカフェEmma Coffeeがスペシャルティコーヒーを、
フードは、音羽山荘の母体でもある音羽鮨から板前さんをお呼びして、お寿司を握っていただきます。
そしてもちろん、ビールやワインも。
それほど広くはない場所なので40名限定という募集なんですが、みなさまのご参加をお待ちしています。
どうぞよろしく
BOOKS+コトバノイエ 店主敬白
詠む人
中川和彦 / スタンダード・ブックストア
橋本健二 / 建築家
高橋マキ / 文筆家
室千草 / 映像作家
蓮池亜紀 / 設計事務所はすいけ
石崎嵩人 / バックパッカーズジャパン
鈴木晴香 / 歌人
川瀬慈 / 映像人類学者
「音」が好きだったりし、音楽でも、歌詞の内容が邪魔だなぁ…..とおもう時があって、コトバとして理解出来ない英語の音楽に魅力を感じてた頃は、歌詞に惑わされない音楽に魅力を感じていて、徐々にJAZZが魅力的になっていった時期は、そんな嗜好の影響が大きかった頃なのだろうが、ま、それはさておき、言霊としての詩の魅力というのに心動かされて、胸に独特の波動を感じたり、涙目になる時も、もちろんあるわけで、ただ、今回のポエトリーリーディングでは、個人的な嗜好も反映して、音楽のコンサートのように接して、音としてのVoiceを聴いた。
そんなわけで、朗読した詩の内容がどんなのだったか、よく想い出せないが、それぞれの音としてのVoiceの記憶はそれなりに残っていて、箕面の秋の夜に、静かに鳴き続ける虫の声、川が流れ続ける水音、時折通る車の音、和蝋燭独特の「ゆらぎ」の音?、十三夜の月の音?、それらのバックグラウンドミュージックとともに、それぞれの歩んできた人生に応じた、Voiceとしての「音」を聴けたのが、じんわりと楽しい秋の夜長だった。あっ、それとともに、静けさも聴いた気分。
ジャズのビルエバンスのアルバム、ワルツフォーデビーが、あのNYのビレッジバンガードで、お客さんのざわめき、グラスの音、それらが背後に流れ、そんななかで、ピアノとベースとドラムのトリオが、表面的には静かな音楽として奏でながら、3人それぞれが、絡み合いつつ、内面的に熱いセッションを繰り広げていて、そんな「音」が魅力的だったりし、朗読を聴きながら、そんなコトを、一瞬、思い浮かべた。
午前中は、孫が通う体操学園の運動会があり、2歳児でも、走ったり、飛んだり、前転したり、踊ったり、リレーしたりする姿に、微笑みとともに、心洗われる感じがし、子供達のVoiceと見学する親たちの歓声の「音」に、心地良さを感じ、親の立ち位置の時は、渋々気味に参加していた運動会が、「ジー」の立ち位置になると、全く違った価値観の運動会になって、親の時に、こういう気持ちに、なぜなれなかったのかぁっ!とちょっとだけ反省してみた。
その流れで、自転車に乗ったまま、生野祭りを見に行く。毎年、生野祭りの舞台を造る仕事をしていて、そのわりには、当日の祭りを見たのは、2度ほどしかなく、久しぶりに会場に行くと、屋台やフリーマーケットと共に、生野区の地車が大集合し、地車囃子が、ポリリズムのようになって奏でる「音」の迫力で、心が躍るとともに、大人数で大阪締めをする「音」が、不思議と心地良く、もう少し何かのエッセンスが加わわれば、もっと多様な人達が楽しめるお祭りになるような気がして、それが、いったい、なんだろうか…..と考えてみた。
3カ所で、それぞれの、心地良い「音」を聴いた日曜日だった。