編集と融合と発酵

台風21号の余波で、その対応に追われる一週間で、雨が降り続いていたために、おもうように養生作業が進まず、現場監督も設計担当も手伝い職の職人さんたちも、通常作業が滞り、なんというか、地に足がつかない状況だったが、それも今週で、ほとんど収束する様相で、といっても、これからが本番で、保険対応の見積作業に追われるのだろう。

そういえば、保険対応の見積は現状復旧が基本だそうで、この際、仕様を変えて…..なんていう気持ちが沸き起こるのが人情で、ま、そんなのが、見積作業を複雑化させるのだろうし、いや、それにしても、現状でも職人さん不足なのに、地震や台風がよりその状況を複雑にし、この先、うまく対応出来るのだろうかと不安になっているのが、いまの工務店に関わる人達のメンタリティーで。そんな意味では、この連休が、ひと息付けて、エエ休みとなって、エエ間合いとしてリフレッシュできればと願う。

そうそう、なんだかんだと打ち合わせがあった土曜日だったが、夕方に「ほうば」という韓国料理のお店に食事に行った。予約が取れないお店らしく、予約していた方と一緒に行く予定のひとが都合が悪くなり、それで、うちの奥方と私にお誘いがあって、棚からぼた餅的状況だったが、私は、な~んとなくついて行くぐらいの軽いのりで参加した。

そういえば、偶然のことながら、予約していた方の屋根が、この台風21号で被害に遭い、この食事会の前に、その養生作業が出来たのが、食事の気分を少々盛り上げてくれたのだろうし、そうそう、お店に入る前に、1階のベーカリー店の前で、リフォーム工事をしたお施主さんとすれ違って、お互いにすれ違ってから、ひと呼吸置いて、想いだしたように、振り返って、あっあっ木村さん、あっあつご無沙汰です!なんていう出合いが、食事前のテンションを上げてくれたのだとおもう。それにしても、どれもが新鮮で斬新で美味しい料理で、辛みに心構えをしながらテーブルに座ったが、最初に出てきた15種類のナムルの味から、甘みのような旨味があり、日本的イタリア的韓国料理とでもいうのだろうか、そんな料理が最後まで続いた。

なによりも驚いたのが、その予約をしてくれた方が、食事が終わり帰る前に、次の予約をお願いすると、来年の3月だと告げられたことで、それでも、その3月にどんな気分になっているか、食べたい気分なのかどうか、わからへんけど…..、なんて云いながら予約して、別のテーブルのひとも帰り際に予約をしていて、そういえば、先日のモダンスパニッシュの「FUJIYA1938」も隣のテーブルのひとは、食事終了後、次の予約を取っていたが、そんなのが、流行っているお店のひとつのステータスなんだろう。そうそう、ほうばさんは、午後5時から予約の食事が始まるのが新鮮に感じたなぁ…..。

イタリアンなのかフレンチなのかスパニッシュなのか。日本なのかイタリアなのか韓国なのか。そんなのが上手く編集され融合し発酵までした料理に、新鮮さを感じて、沢山のお客さんが生まれ、商売繁盛する姿を垣間見たりするわけで、住宅建築も、そんなさまざまなスタイルを編集し、融合を通じて、少しの時間の経過とともに、発酵という現象まで起こった家造りが、求められているのだろうか。と考えてみたくなる食事だった。工務店としての在り様にも新鮮さが求められているのだろな…..。