夜の食事

東京で学生をしている次男が、つい5時間ほど前に、大阪に帰ってきて、久しぶりに長男と次男の二人の息子が揃って、何よりも嬉しそうな笑顔を魅せるのは、奥方で、「母」とは、いつまでたってもそういう心境なのだろうな。「父」の喜びとは、ひと味もふた味も違う、奥底から湧き出るような喜び感を、そこわかとなく発散させていて、「私が産んだ」という体験からくる喜びなのだろうか。

長男4人家族と次男も一緒に、木村工務店で施工させて頂いた、鶴橋の一龍に、焼き肉を食べに行く。ステーキも美味しいが、なによりも私はここ以外で冷麺を食べる事はなく、その焼き肉と冷麺を美味しそうに食べる息子二人の姿を、とっても嬉しそうに眺めながらワインを飲む奥方と、その酔っ払っている奥方をチラチラ眺めている「私」。

長男の次男、すなわち二人目の孫の一歳の誕生日が、お盆休暇中で、長男家族は旅行中だったので、お祝いも出来ず、なので、一龍で、数日遅れの誕生日のお祝いをする。ちょうど、一年前、長男と次男と私の3人でベルリンとコペンハーゲンを旅し、その日、ベルリンのラーメン屋さんで、行列に並んで待ち、その時に、ツワリが始まったと長男の携帯にメッセージが来て、数十分待って、店内に入り、ラーメンを注文して、ようやくテーブルにラーメンが出てきたその時に、男の子が誕生した姿が携帯電話の写真に送られてきて、驚きと共に、皆で、祝福したベルリンのラーメン屋さんは、一生涯の想い出となったが、そのコトを書いたブログを覚えていてくれた、一龍のマスターが、お会いするなり、一年前ベルリンのラーメン屋さんで誕生したお子さんね!と笑顔のメッセージをもらった。ベルリンのラーメンより早く出てきた超安産な長男の奥さん。そんな話題で盛りあがった夜の食事だった。

そういえば、お盆休暇中の夜の食事は、必ず外食すると決めていて、初日は、ダイビルにある「クイントカント」でイタリアンを食べ、シェフをはじめスタッフ全員が20代だそうで、味も器も凝っていた。二日目は日本橋にある「まさる」でお寿司を食べた。明日からお盆休暇だということで、私たち夫婦が、最後の客になった。三日目は谷六の「大衆食堂そのだ」に行く。午後5時すぎに、並ばずにお店に入ったが、午後6時すぎにお店を出ると、女性客ばかりが行列していた。こういうお店が、若い女性客の心をつかむのだな。

4日目は、小旅行をして、早朝から車で、温泉ソムリエグッチお勧めの十津川の湯泉地温泉の滝の湯で朝風呂。さらっとしたエエお湯。それからクネクネカーブを曲がり続け、玉置神社で参拝する。それにしても十津川近辺の道がとっても良くなったことに驚いた。帰路は、空海さんに会うために、高野山回りで帰る。木村工務店で施工したゲストハウスkokuuに寄って、改修の計画も含めて、あれこれとお話をしていると、驚いた事に、先日、「まちのえんがわ」を訪問してくれた、デザイン教育研究所のシオザキさんが、目の前を通過した。お互いに驚きの声を発し合う。

奥の院、金剛峯寺、壇上伽藍などを歩き回っていると、弊社担当だった大阪ガスの営業の方が娘さんと二人で歩いている姿に出会す。やっぱりお互いに驚きの声を発し合った。恐るべし空海さん。帰りは和歌山回りで、温泉ソムリエグッチお勧めで、和歌山インターすぐ近くの、花山温泉薬師の湯に行く。素晴らしい温泉で、近くにこんなエエ温泉があったとは驚き。また行きたい。で、4日目の夜の食事は、その近くの和歌山ラーメンを探すが、夜も遅くなり、お盆でもあり、たまたま空いていた「まるしげ」へ。コッテリでした。

5日目は、上六の「菜都」で中華を食べる。コストパフォーマンス抜群。その帰り、生野区のBARソケットで真空管のイベントがあり、マスターのお誘いもあって参加する。深夜になり隣に座ったひとが、大今里の「大阪まんぷく堂」のマスターだったので、そのまま予約して、6日目の夜は、和食となった。クイントカントと同じように味も器も凝っていた。その後、巽の同級生が営む鉄板焼き「MUDDY」で、同級生の還暦お祝い。で、7日目は、「FUJIYA1935」でモダンスパニッシュとやらを食べる。もはや、何がイタリアンでフレンチでスパニッシュか、全く判らないが、味も器もひと味もふた味も凝っていた。

このお盆休暇中の夜の食事は、工務店としてのありようを考えさせられた、食事だった。どのお店も、自分たちのスタイルを追求していて、心洗われるおもいだったが、そうそう、何よりも、「オバタ」のおじさんの映像に、心洗われた週だったなぁ…。こんな生き方もあるのだな。スーパーボランティアというコトバを知った週でもあった。