鏡割り

日曜日の大安。猛暑の午前中。地鎮祭があり、じっとしているだけで、じわじわと汗が噴き出てくる、スーパーホットな日曜日だった。だれもが額にしたたる汗をハンカチで拭きながら、神主さんの祝詞を聞いていた。皆で、一緒に、土地の神様にお声がけし、工事の安全無事竣工を祈るコトが、儀式化されているのが、日本文化の特徴のひとつなのだろう。施主と設計と現場が、工事を始めるに際し、少し親密になる、きっかけの儀式でもある。

施主の方が、初めての地鎮祭なので、勝手が分からず…..。というコトバを聞きながら、いままで、数多くの地鎮祭に参列し、鍬入れの儀式を執り行う役割も担ってきたが、自分自身の家はリフォームの連続なので、自分自身の家の地鎮祭を経験したことはなく、地鎮祭を経験する人というのは、ごく限られた、土地の神様の幸運に恵まれた人なのだろう…..と、日陰に身を寄せあいながら会話をした。

地元の清見原神社の夏祭りは、7月31日と8月1日で、住吉さんとともに、大阪最後の夏祭りを締めくくる。ここ数年は氏子総代会のひとりとして、数名の男女の総代の方々と共に、地域の安全無事を祈願して、神社で参拝をする役割を担うようになったが、ドレスコードがあるわけでもないが、なんとなく、背広を着るのが慣わしで、連続する猛暑日のなか、背広の下のカッターシャツは汗びっしょりになっていた。

 

清見原神社の地区では、4台の地車がまちを練り歩く。総代会が終わり、会社に戻った仕事中に、地車の鐘と太鼓の音が近づいてきた。子供の頃から慣れ親しんでいるこのリズムを聴くと不思議に心躍る。ご祝儀袋を携えて、2階の事務所の玄関から、路面に降りると、大友の地車で、地車にのる顔見知りの責任者の方と目が合い、お互いに会釈をかわすと、皆で一緒に打ちましょぉ!と、地車を会社の前に駐めて、引き手も含めた、たくさんの方々と一緒に、さぁ、打ーちましょ!の掛け声とともに、大阪締めで祝いあった。

打ーちましょ」 パンパン「もひとつせ」 パンパン「祝うて三度」 パパン パン  地車の鐘太鼓の音と共に皆で一緒にやる大阪締めは格別に心地良い。横や後ろをみると何人かの社員も2階から下に降りて参加していた。毎年、地車とともに、会社の前で、近所の方々を含めた多くの方と一緒に、大阪締が出来たら楽しいだろうなぁ…。そうそう、昔は、「打ーちましょ」 パンパン「もひとつせ」 パンパン「よーいやさの」 パンパン それも最後は手をたたかず、鐘と太鼓のパンパンだったような気がするが、いつから、最後のリズムが変わったのだっけ? ま、進化したということで…。

そういえば、7月31日は、お祭りでもあったが、第五火曜日で、第一と第三火曜日の社員定例会議とともに、第五火曜日は、協力業者に参加頂いて、さまざまなジャンルの勉強会をし、その後、とんちゃん食堂を加工場で催す火曜日だったが、今回は、建築工事保険の勉強をしたあと、木村家のリフォーム工事を担当して頂いた、協力業者の皆さんの労をねぎらうコトとお披露目を兼ねて、「木村工務店のものづくりの仲間たち」とともに、木村家で、宴を催した。

 

「手仕事」という感覚を、家造りのなかに、刻むコトが、ひとつのテーマでもあって、職人さんたちのスケジュールが、暇になる時まで、待って、シゴトをして頂いたので、随分と時間が掛かってしまったが、うちの職人さんたちは、こういうシゴトができますよ!というショールームでもあるわけで、工事に関わった皆さんへの感謝の気持ちを分かち合う宴会ができて、少し気持ちが落ち着いてほっとした。これで家もだんだん落ち着いてくるのだろう。

そうそう、サプライズで、社員の皆さんが、樽酒を持ってきてくれて、夫婦仲良く鏡割りをした。「地鎮祭」「大阪締め」「鏡割り」と目出度いコトが重なった、珍しい週だった。thanks!

追伸
木村工務店のお盆休暇は、8月11日土曜日から8月17日金曜日の7日間です。8月18日土曜日より通常営業いたしますので、ご理解のほど、よろしくお願い致します。