秋雨。
しとしと小雨降る日曜日の朝。ぽたぽた落ちる雨音聴いて。葉っぱの滴眺めて。珈琲飲んで。雨の静かな日曜日の朝も悪くない。同級生が副社長と専務を務める、株式会社せいき、キタバ薬局の60周年の式典に招かれて、朝から難波のスイスホテルに出向く。ここ5年ほど、富田林や狭山にある、サービス付き介護住宅やメディカルセンターや薬局の基本設計と現場監理だけを依頼されていて、工務店なので、本来的には、施工するのががメインなのだけれど、高校時代の同級生の依頼ということもあって、富田林にあるミトハウジングさんが実施設計と施工を担当し、弊社木村工務店が、計画と基本設計と現場監理を担当するという、ちょっと変則的な組み合わせで仕事をしている。
専務を務める高校時代の同級生のイコマくんが、勤めだした30年前は、社員5人だったドラッグストアーが、今は、調剤や介護までトータルなサービスを提供する社員400人の会社に成長し、60周年を迎えたという。とってもエエ雰囲気の祝賀会だったが、うちは、創業数年後から、社員15人ほどの、ほぼ同じぐらいの規模のまま、今年、80周年を迎えたわけで。「過去は過去、未来に向けて、今頑張ります」と語る、87歳になる元気なキタバ会長のオーラに触れながら、会社規模のコト、社員のコト、経営理念のコト、などなど。木村工務店の、「いまとこれから」を考えさせられた、昼の祝賀会だった。
先週、まちのえんがわワークショップの打ち合わせに、建築家のイシイリョウヘイさんがお見えになって、あれやこれやとお話をする。先月、建築家仲間で、コルビュジエを見るフランス旅行をしたそうで、その新鮮な印象のあるうちに、ドミノハウスへのオマージュということになるのかどうか、「ドミノワゴン01」という、ランバーコアーによる、ワゴン製作のワークショップを開催するコトになった。
ちなみに、ドミノシステムというのは、コルビジェが提唱した、鉄筋コンクリート造の床(水平スラブ)を支える柱、そして上下階を結ぶ階段という最小限の要素で構成された部材によって、住宅を大量生産するために考案されたシステムのこと。
串カツを食べながら、リョウヘイさんが、お父さんでもある建築家のイシイオサムさんのコトに関して、「土」というキーワードを話題にだして、それは、左官屋さんの素材として使う「土」という感覚より、「大地」の、「土地」の、「土」という感覚で。「緑」ではなく「土」なのだとい話題だったが、それが、とっても面白く、「土」のコトを、改めて考えさせられる夜となった。
そうそう、その時、なぜか、今月号の新建築に掲載されていた、「空間には外部と内部の差は存在しない」「空間が人間に喜びを与える」という、槇文彦さんのカッコエエ、コトバを想い出し。同じく今月号のモダンリビングに掲載されていた、「外観は精神に、内部は感覚に。建築はそれぞれ人間の別の面に働きかける」という、ほぉー、なるほど…..と、五感を呼び覚まされる、藤森照信さんのコトバを想い出した。
まちのえんがわワークショップも、今年も残り、2ヶ月半ほどになり、木村工務店の建築写真を撮影してくれている、建築カメラマンの多田ユウコさんによる、日光写真のワークショップが10月22日にある。11月5日は、ランドセルを製作している生田工房さんとのコラボレーションによる、ランドセルを掛けるランドセルスツールを製作するワークショップがあり、11月19日には、生野の日空き家プロジェクトの、ちょっと大きいめのイベント事があって、11月26日は、毎年恒例の建築家のヤベさんによるケンチクイスのワークショップがあり、12月10日も毎年開催している田中共子さんによるステンドグラスワークショップ。12月17日は、これまた恒例のあそび菜さんによるピザのワークショップがあって、今年が終わる。来年になると1月にお餅つきがあるので、建築家イシイリョウヘイさんによるドミノワゴンとレクチャーは、来年の2月開催予定となってしまった。
梅雨のように降り続く秋雨。10月15日16日は、地元、清見原神社のお祭りだが、雨だな。年末に向かっている、微妙な気配が、なんとなく押し寄せてきて、来年の予定も、ちらほら入りだした。会社のコトを考えさせられた祝賀会。建築のコトを考えさせられた縁側噺。そんなこんなで、じょじょに秋が深まっていくのだなぁ…..。
投稿者 木村貴一 23:59分