ソーメン と ラーメン

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ワークショップとして、流しソーメンを催す日曜日で、ここ5年ほど、毎年やっているので、何~となく、今年もか…..的マンネリ感もあったが、いざ、始まって、ソーメンを、竹で流して、食べ始めると、やっぱり不思議に上手いし、楽しい。何でなんだろうかね…..。ソーメンが、ばらけて、さらさらになって、流れることで、ソーメン一本一本の味が引き立ってくるのだろうかね。やる前より、やって良かった、食べて良かったともうのが、流しソーメンだったりする。

ソーメンを食べながら、ベルリンで食べたラーメンをなんとなく想い出した。ベルリンの3日目の夜の食事をどうしようかということになった。メンバーは、長男タカノリと次男タカヒロとベルリン在住ユウト。この二日間、ドイツ料理を食べたが、ソーセージの印象だけが強く、それ以外で、取り立てて、記憶に残るほどの料理を想い出せないし、そういえば、オオサカで、ドイツ料理の店をチョイスした経験がないほど、ドイツ人は、案外料理に、無頓着なのかもしれない。やっぱり、ビールが上手かったなぁ。が、ドイツでの食事の第一印象なんだろう。そんな理由もあって、ユウトが、イタリアンでもフレンチでもなく、ラーメン屋さんに、案内してくれた。

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お店が点在する道を散策しながら歩いて、右折れした、左角に小さな公園があり、その公園の前の右角のビルの1階に、ラーメン屋さんがあって、行列が出来ていたのには、少々、驚いた。日本でも、私は、ラーメンを並んで、食べたことが、あまりないが、30分は並ぶ気配だったので、一瞬、別の店の選択肢も考えたが、ドイツ料理のイメージが脳裏をよぎり、満場一致で、ラーメン。と決定し、並ぶコトになった。日本人な雰囲気のひとも数名いたが、西洋人ばかりが並んでいた。ほんとうに、ヨーロッパでも、ラーメンが、人気なのだと、実感する瞬間だったが、その時、タカノリの携帯に電話がかかり、それは、タカノリの奥さんからで、第二子が、産気づいて、大急ぎで、うちの奥方に送ってもらって、病院に向かう!!!という、一報だった。

IMG_487415分ほど店の外で並び、15分ほど店の中で並んで、中の席に通された。カウンターがあり、日本人の男性2名がカウンターの中で、日本語で、会話しながら、ラーメンを茹で、日本人の女性スタッフ2名が、テキパキと、そのコトバに反応しながら、給仕していた。日本のラーメン屋さんそのもので、奥に4人掛けの席が4つほどあったが、そのさらなる奥が、中庭になっていて、そこには、かなりの席に、かなりの、ウエスタンなお客さんがいた。中庭の席が、いかにも、ヨーロッパなラーメン屋さんのようにおもえて、なんとなく笑みがこぼれてきた。

 

沢山のお客さんがいて、ラーメンが出てくるのに、時間がかかりそうだったので、ビールと餃子を頼んで、時間を待つことにした。日本人の女性のカワイイ店員さんに、どのラーメンがお勧めかを尋ねてみたくなったのは、英語もドイツ語も、まともに話せないので、レストランで、お勧め料理は何かを聞けないフラストレーションが溜まっていたからだとおもう。それに、醤油も豚骨も味噌も、あらゆる種類のラーメンがあるのが、なんでもありね的ラーメン屋さんで、そんな店を開こうとしたことが、ベルリンで、ビジネスとしての成功を目指す、意気込みだと、解釈したい気分だった。ワタシは、トンコツがお勧めですね。と、日本人女性の柔らかい日本語で喋ってくれたので、二言三言の会話をはさんで、ほんだらぁ、それにするわぁ!と、柔らかめのベタなオオサカ弁で、応えることにした。

ラーメン屋さんの店前に到着してから、ほとんど1時間後に豚骨ラーメンと対面したが、丁度、その瞬間、タカノリの携帯電話が、バイブし、フェースタイムで応答しながら、産まれたわ!とタカノリが、喜びの声を発した。IMG_3629第二子男児誕生の瞬間で、フェースタイムの写真が送られてきて、それを4人で一緒に見て、ベルリンのラーメンを食べながら、「おめでとう!乾杯!」と、喜びのラーメンをすするという、とんでもなく、貴重なラーメン体験になった。

もちろん、タカノリも笑顔。「私」も笑顔。だが、でも、出産に立ち会わなかった、こんな、お父さんで、エエのだろうか。こんな、お祖父さんで、エエのだろうか。と、少々、後ろめたいキモチが、瞬間風速のように、襲ってきたが、それは、それはそれで、奥方が、勧めたからで…..、と、曖昧なコトバを駆使して、その風速を打ち消しながら、ラーメンを食べる、親子の姿が、ベルリンのラーメン屋さんだったというのが、ちょっと笑える光景だったのかもしれない。それにしても、タカノリ奥方と、うちの奥方には、感謝しておこうとおもう。

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流しソーメンそのもの以上に、流しソーメンを通じた、いろいろなひととの、コミュニケーションが、楽しかったりするわけで、ベルリンラーメンも、フツウに美味しかったが、それ以上に、その時、交わした、あれやこれやのコミュニケーションが、とっても印象深い出来事となった。

投稿者 木村貴一 :23:59