Story
大きな1つの敷地を兄弟で購入し、2つに分筆して建てた木造3建ての住宅。
それぞれ家庭もあるので、兄弟であり他人でもある。
共同住宅のような一かたまりのものでもなく、長屋のような連棟形式でもなく、
宅地開発された分譲住宅のような少しづつ異なるデザインでもない、もう少し、
違った建ち方でありたかった。
House-TA、House-TUで左右対称。構造はそれぞれ別。
外観は駐車スペースに向け、外壁を約5度傾けることとした。駐車スペースを確保し、
2階3階の室内の面積も確保する。そして、この傾きが玄関を出てすぐの軒下空間の
代わりとなり、左右対称形の完結したカタチに動きを出している。
四角い外観に四角い窓。その奥に、箱型、家型、片流れ型の室内空間。
House-TA,TUともに間口が狭く奥行きの長い住宅であるため、目線の抜けを作るこ
ととした。
平面的には、構造上必要な筋交いを表しとして目線を抜き、奥行き感を出した。
断面的には、床下空間、軒裏空間を全て室内空間として使い切り、天井高を確保し、
高さ方向の拡がりを作りだしている。
House-TUのプランは1階に水回り、納戸、2階にLDK、ゴミ箱置場、便所、
3階にフリースペース、個室、ルーフテラスとなっている。
ルーフテラスは南側に配置し、3階フロアレベルから1段下がったスキップ形状により、
2階にも3階にも、十分な光を導いている。この段差は自身だけでなく、
隣のHouse-TAにも光を導くことに寄与している。House-TAの2階キッチン横から
漏れる光はこの段差によるものである。
建物配置に関しても、近隣からの要望などから、配置の調整をそれぞれの建物間で行っている。
House-TU、House-TA。少しの差異と、ちょっとした関係性。
タカヤマ建築事務所HPより引用
設計:タカヤマ建築事務所 www.takayama-arch.com
施工:木村工務店(現場監督/古川雅也 大工/佐々木裕一)
撮影:笹の倉舎