住宅建築
2001年2月号 |
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敷地は大阪府吹田市.
新旧の建物が建ち並 ぶ密集した住宅地である. 敷地の隣には, 狭い敷地でありながら,季節感のあふれる線 豊かな生垣と,平屋の古い瓦葺きの建物があっ た. それは, 忙しく通り過ぎようとする足 を緩ませ,暗がゆっくりと流れているような 場所に思えた. そこでその懐かしささえ感じられるその雰囲 気を壊さぬよう,建物は道路側に下屋をまわ して建物のボリュームを抑え, さらに目線に 近い外壁には,土佐漆喰に藁すさと黄土を混 ぜた素材感のある壁を配することにした. 住まい手は, ご夫妻と成人された娘さんの3 人. 山陰の田舎の家ですごされたという経 験を持っている奥さんは,和室の続き間のあ る住まいを希望された. そこで,その和室 と連続する土間空間を提案した. 土間の床は, 門扉から南にわたる庭先までを たたき風に仕上げ,窓を天井一杯まで広げた ことにより,大きく開いた窓から降り注ぐ太 陽が, 暖かく心地よい空間を与えてくれる. |
暖かい要因として,外壁に構造用合板の代わ |