朝の言霊

2017年12月10日日曜日
────────────────────────────────────
日曜日のイベント事が、6週連続、続くと、流石に、微妙なストレスが蓄積されていたのだろう。

昨日の土曜日の夜は、木村工務店の忘年会で、毎年恒例の、がんこ平野郷の蔵を貸し切って、社員だけでなく、大工さんや手伝いさんも一緒に、身内30名ほどでおこなった。この大きな蔵は、天井に、大きな棟木が、中心にドーンと通っていて、それを支える太い柱が、部屋の真ん中にドーンとあり、ゴッツい登り梁が、1間半のピッチで、ドーンドーンドーンとその棟木に掛かっている。その登り梁と登り梁に太い角材の母屋が、1間ピッチで渡してあって、その上に、杉板なのだろうか、長尺の一枚ものの板材が、棟から軒に向かって貼ってあり、その板材の目地が、横方向でなく、棟から軒の縦方向にリズムよくあるのが、珍しいとおもう。それに軒桁は、わりと細い材料の頭つなぎ的な感じで組んであって、柱が半間ピッチに立っていて、貫で、柔らかにしっかりと固められていて、登り梁は、その桁ではなく、その柱に仕口されている。

なんていうのを、会話と会話の間、食事と食事の間、お酒とお酒の間に、天井を眺めるのが、毎年のコトで、こういう、大きなお屋敷を、食事ができる場所として、建て替えるのではなく、リユースしていこうという、日本の文化を守り活かそうと考える企業の姿勢のようなものが、大切なんだろうな。と会社経営の立場に立って、眺める時もある。長屋なんていうのも、最近の若い人が、文化として、好んでいる姿に接すると、文化的資源として、リユースする術を、あれやこれやと考える時代なのだろう。2次会は、会社の加工BARで、夜の11時前まで続いて、その後は、布施に繰り出したひと達もいたらしいが、私は、微妙な風邪と疲れが蓄積されていたのだろう、家に帰るとすぐに寝入ってしまった。

それで、朝も遅くまで寝坊を楽しむ気分なのかと思いきや、日曜日のイベント事が、6週続いた、遊んでいないストレスのようなものが、溜まっていたのだろう、朝6時に目が覚めて、自転車に乗って、身体的発散を求める「私」がいて、まだ外が薄暗いので、体を動かすコトに、躊躇する「私」も、一瞬台頭してきたが、気が付けば、自転車に乗る服に着替えて、玄関から外に、サドルにまたがって飛び出していた。

なんとなく、葡萄坂を登る方向に走り出した。途中、巽と久宝寺の公園を通り抜けるのが、好きで、早朝から、ランニングしていたり、散歩していたり、体操していたり、そんな、早朝の人の動きに接すると、なんとなく癒やされる気がする。このコースでは、久宝寺緑地を抜けて八尾の寺内町を抜ける間に、信貴山が見える開けた場所があり、いつも、ご来光を眺める人たちがいて、雲の間からチラッと朝日を垣間見た。周囲の街から、地内町への入り口がある、そんな、秘密の街に入っていくような、集落のありようが好きで、早朝の集落を通り抜けることで、「まち」に癒やされた気分になる。

葡萄坂を登る。34のギヤー比に変えて、早く上がれるようになったとおもいきや、以前より2、3分時間が掛かるようになって、最も早い、若い人達の、倍の時間を掛けて登っている、還暦前の身体からしても、がっかりではあるが、心拍数は10程下がって、楽になったのを喜ぶべきなのだろう。人間の身体能力と自転車のギヤー比の関係って面白いなとおもう。これからどんな状況になっていくのやら。8時頃に、のどか村に着くと、朝練の10人ほどのグループが休憩していた。朝に自転車を乗るときは、モーニングを食べる楽しみがあって、いつもは、十三峠や葡萄坂を超えて、奈良の方に降りて、三郷のカフェファンチャーナに行くが、今日はステンドグラスワークショップの準備があるので、そんな余裕もなく、信貴山の朝護孫子寺にお参りでもして、生駒の方に向かい、十三峠を下って帰ることにした。

自転車に乗る人が、朝護孫子寺にお参りに行くのには、自転車を押して階段を上がりながら、数カ所は、担いで階段を上がることが必要なので、ほとんどの自転車乗りは、お参りに行かないが、私は、たいがい立ち寄る。山から清水寺のような舞台がせり出していて、大和盆地の眺めがよく、なによりも、本堂に書いてある、「オンベイシラマンダヤソヤカ」という言霊のようなコトバが、面白いとおもい、早朝の参拝をする。それに、この場所に、よく、建築できたな。タイヘンやな。という工務店的施工の立ち位置もあり、設計する時には、まだ、山の状態の敷地で、本堂の場所の選定とアプローチを、どうやって考えたのかと、感心しながら階段を上る時もある。高校生風の男子とご両親の3人で、早朝の参拝をする姿に、出会った。

本堂から少し自転車をかつぎ上がると、多宝堂という、1階が方形で2階が円形の建物がある。高野山にあるのと同じ種類の建築だが、いつ見ても不思議な感じがする。五重塔のような建築的な美しさではなく、霊的な感じというのだろうか、空海がこういう形を考えたらしい。記念写真を撮って、紅葉の落ち葉が道の両側で歓迎してくれる山道を走って、裏十三峠を超えて、家に戻った。9時30分頃、帰りつくと、丁度、現場監督のシノダくんが、倉庫の前で、軽トラックの荷物を片付けているところで、シャチョウ、朝からどこ行ってきはったですか。なんていう会話で、日曜日のライドから、シゴトとステンドグラスワークショップモードに、スパッと切り替わった、日曜日の朝だった。

IMG_5308
IMG_5311

投稿者:木村貴一

コメントする