台風と成り行き任せ

2017年9月24日日曜日

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先週の日曜日の朝、日本列島に台風が接近するという、その情報が、日本列島中を駆け巡り、丁度その日曜日と月曜日の連休を利用して、以前から、長野県安曇野に、自転車を乗りに行こうと、ウィリエールのキタムラくんに、誘われていた。それも私たち夫婦との3人で、行こう!という計画だったが、折しも、一週間前から、台風接近の予報が、ガンガン報道されているので、キャンセルするのか、決行するのか、計画を練ってくれているキタムラくんは、やきもきしながら、時折、メッセージを送ってきて、私たちの意向を聞いてくれていた。

台風情報は、誠に有り難い情報で、特に、工務店を生業とする私たちにとっては、現場の足場養生を、台風接近に合わせて、業界で、「台風養生」という、シートを足場に巻き付けて、風の勢いを逃がす方法をとるのが、一般的で、そんな意味では、その台風が、直撃するかしないかに関わらず、現場がある地域に影響を受ける可能性の報道がなされると、有無を言わず、台風養生をするのが、当たり前のコトなのだろう。

ところが、プライベートな旅となると、これが、微妙で。宿泊予定の旅館では、1週間前からキャンセルフィーが、発生しますよと、云われていて、台風接近という事情があるのなら、別の日程に変更して頂いてもよろしいですよ。という、親切な提案もあったが、生憎、お互いの予定が合う日が全くなかった。なので、選択肢は、台風接近で、自転車も乗ることが出来ないので、キャンセルフィーを支払うか、台風などお構いなしに、決行する!と決断するのか、どちらかに迫られていた。わをかけて、テレビは、連休中のレジャーは控えて下さい。とまで、警告している状況だったので、世の中全体が、中止等の控え目なムードが充満していた。

「成り行き任せ」というのが、旅を楽しむ、ひとつのスタイルとしてあるわけで、キャンセルフィーがおもいのほか、高額だったので、それが、もったいない、と思えてくると、可能な選択肢は、十二分に安全に配慮して、台風は台風なりに、雨は雨なりに、その状況を楽しみながら、旅をすることしかなく、また、そんな経験は、いままでに、何度もあったので、そんなに躊躇することもなく、成り行き任せと状況判断という旅として、予定通りの時間、午前5時に、家を出発することに決定したのは、前日の夕方の出来事だった。

台風接近の日曜日の朝5時の大阪は、ほんのちょっとした、いわゆるパラッとした雨が降っているか、降っていないかの曇天の空模様で、台風の風も穏やかだった。そんな状況だったので、フツウに、車をドライブすることになったのだけれど、事前の台風情報というのが、人間の心理に与える影響は絶大で、名神も東名も中央道もガラガラで、それゆえに、皮肉なことに、とっても快適なドライブとなっているのが、不思議な気分でもあった。

流石に、安曇野に到着すると、しっかりと雨が降っていた。もちろん、自転車に乗ろうとする気分など、まったくなく、なので、安曇野インター手前の、サービスエリアで休憩をしながら、スマホを見て、計画を考え、わさび農園に見学に行こう!と提案した。黒澤明の夢という映画があり、世間的な評価は、芳しくないのかもしれないが、「私」は、好きな映画のひとつで、以前より、そのラストシーンに出てくる、清らかな川と、水車と、山々と、緑豊かな日本的な景色の、その場所に、機会があれば、訪れてみたかったので、丁度良い、「ご縁」となった。

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しっかりと雨が降っていて、傘をささないといけない状況なのに、開園すぐにも関わらず、おもいのほか、観光客が沢山いるのには、それなりに驚いたが、多くのひとが、傘をさしてまで、見学している姿と、その勢いに、素直に便乗することにし、私たちも、傘をさして、園内を見学し、お土産として、わさびの入った、さまざまな食べ物をゲットするコトになった。

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それでも、まだ、午前11時前で、お昼までには、まだ、時間があり、雨は止みそうになかったので、ちひろ美術館に行くことを、成り行き的提案としてみた。内藤廣設計で、建築として、一度は、行ったみたい美術館だった。岩崎ちひろのコトは、ほとんど知識がなかったが、皆の、この雨だし、そうしよう!という、成り行き的共感のもと、小雨のなか、訪問してみると、想像以上に、沢山の人で、賑わっていた。そんな賑わいによって、気分も盛り上がったのだろう、建築も庭も展示も見学者の寛いでいる雰囲気も、どれもがエエ感じに見えた美術館だった。孫イッケイの絵本をゲットし、キタムラくんが、事前に計画してくれていた、坂本屋さんという古民家を改修した鰻屋さんで、食事をすることになった。こんな状況下では、雨のエエ美術館と、雨の美味しい食事と、エエお土産というのが、気分を盛り上げてくれる、大切な要素なんだろうな…..。

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鰻で満腹になった昼下がり、キタムラくんが、マウンテンバイクのプロとして、アメリカで、転戦していた時の知り合いだという、カイジョウさんが、代表をつとめる、クロマグジャパンの、蔵を改修したショールームが、安曇野インター近くにオープンしたばかりだということで、訪問することになった。これも、雨のお陰なんだろう。マウンテンバイクのコトは、全く無知で、初めて、クロマグというカナダの自転車メーカーとその製品を知ることになったが、製品もカッコ良かったが、なによりも、サドルやフレームの展示の仕方が、カッコ良く、珈琲を頂きつつ、カイジョウさんを含めて、皆で、あれやこれえやと、コミュニケーションをし、超太いタイヤのマウンテンバイクにも、試乗させてもらえて、なんか、エエもん、見たなぁ…..。なんて気分になった。

時間つぶしだったのか、成り行きだったのか、それはともかく、雨故の安曇野になり、なんだかんだで、午後4時になっていた。なごみ野というお宿に到着し、早速、温泉に入って、湯上がり気分で、ロビーを通過すると、キタムラくんの、アメリカ転戦時代の、友人だという、現在もプロライダーの、やまめの学校のタカギさんが、キタムラくんを尋ねて、宿まできてくれていて、四方山話をしている、真っ最中だった。なんでも、台風で、スクールの予定が中止になって、明日も、時間が空いているらしく、明日が、天気なら、安曇野の裏道を案内しながら、うちの奥方のために、スクールをしますよ!という、コトだった。

翌日は、台風一過の秋晴れになり、前日の夕食が、とっても美味しく、まったく、期待していなかっただけに、とっても、特した気分の、朝になった。安曇野の、収穫前の稲穂が揺れる秋晴れの景色と、地元の裏道案内と、ロードバイクの乗り方スクール付きという、予定外の幸運に恵まれた奥方は、坂道では、プロライダー2人に、交互に背中を押してもらうという、オマケまで頂戴しながら、一年ぶりのライドにも関わらず、なんとか60kmを走破した。成り行き任せの連休が、さまざまな印象をもたらす旅となり、妙に記憶に残る台風となってしまった、なんだか不思議な連休になった…..。

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投稿者 木村貴一 23:59分