この号の購入はこちら 最新号はこちら |
Memo 2001年9月号 |
|
|
山に入って木を買う。それを施主や生産者も巻き込んで楽しいイベントにしてしまう。 ひとえに建築家の人柄がなせる技だろう。 施主も喜ぶが、生産者も使ってくれる人の顔が見られて喜ぶのである。 木を通じた人と人とのつながり、それが家にもやさしさをもたらしているのである。 |
|
|
|
ニ世帯が住む住宅であるが、 いわゆる二世帯住宅ではない。 部屋が分かれていないのだ。 もっと正確にいえば、個室と いうものがほとんどない。か ろうじて奥の和室が個室とい えば個室だが、引き戸を開け れば一続きになる。もちろん 区切ろうと思えば大きな引き 戸がその役割を果たすが、ほ とんどフルオトアンの状態で ある。「子供も好きなところで 寝ています」というほど、自 |
木で建てるというとデザイン的にすっきりしない和風の民 家のイメージがまだ強い。それに高いというイメージがあ る。しかし、木は一番安くて一番高い素材である。トータ ルわ予算の中でどこを選ぶか。節があっても太くてしっか りした木をたくさん使い、ロタンヽウスみたいにならないよ うにバランスを取っていくのがポイントだ。木が目立って いるが、木ばがではなく左官も石も使い、家々のバラン スを考えている。自然のもの用いて、塗ったり貼ったりで はなくそれをそのまま使うという素直な使い方だ |
由な使い方だ。床から天井ま での窓もこの住宅の自由な性 格を表しているかのようだ。 「この家は一見R C のような 豪ですが木造です。イメージ としては木の塊にしたかった んです。普通の木造は柱があ って、その間が何かで仕上げ てあるという感じですが、生 地の間に左官が塗ってあかと いうよりも土の壁とか木の塊 とか、要素を分けていったほ うがスマートでバランスがい |
家のデータ 所在地:大阪府堺市 設計:猪股建築設計事務所 使用用途:専用住宅 家族構成:祖父母+夫婦+ 子供 構造規模:木造2階建 敷地面積:314.64.u 建築面棟:184.52u ( 建蔽率33 .22% 40許容%) 延へ床面積:143 .87u ( 容積率45 .73% 許容80%) 建築家プロフイール
猪股浩二(いのまたこうじ) 1 965年茨城県生まれ 1986年武蔵工業大学工 学部建築学科卒業 1986年 設計組織アモルフ 1995年猪股建築設計事 務所共同設立 原朱美(はらあけみ) 1966年大阪府生まれ 1987年大阪芸術大学芸 術学部建築学利率業 1987年設計組織アモルフ 1995年猪股建築設計事 務所共同設立 「一級建築士事務所猪股建築 設計事務所」 電話0722−95−8520
|
いと思います。」 「木造だと柱があって梁があ って常に剛という考え方があ ります。構造の解釈として剛 か柔ということなんですが、 今は剛という考え方が主流で す。木に10cm置きに釘で合板 を打って固めてしまう方向で すが、これはちょつとおかし い。木を傷めていることにな り、結果的に弱めているので はないかと思います。それよ りも構造事務所と組んで、筋 |
|
交いを増やし、柔な床でやり たいんです。構造用合板で固 めない建て方です。結露防止 にもいいし、ではコスト的に 高いかというとエ程が減って 安いんです。」 素材をストレートにそのま ま表現した家である。木も左 官もすべて一緒のベースで朽 ちていく家。自分も年取って いくから、住む人とともに朽 ちていく自然素材の理想的な 家である。 |
|
|
|
建築家から一言 最近はハウスメーカーよりも 安くやらなければならない仕 事が多いてすね⊃コストが柱ト けられないけれどこだわりが ある人。大変ですが、若い方 が多いので何とかしてあげた くなるっ木を見に行って愛着 をわかせて、施主も参加した 家づくり、いい意味て巻き込 みたいですね。一生に一度の 家づくりですから楽しくやり たいですね。 |
|
|
|