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2017年04月30日

富士山

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丹沢に行く。29日午前中は、神奈川県伊勢原で所用があり、早朝に大阪を車で出発し、新東名を走ると、頭のてっぺんから裾野まで、はっきりくっきり富士山が見えた。塔の岳の山頂からは、霞がまったくない、アルプスまで見える富士山で、こんなに穏やかな青空のもと、堂々とした、皆を見守るかのような、富士山を見たのは初めて。こんな富士山に出会うと、確かに、気分を高揚させてくれる、有り難い山だとおもえてくる。それにしても今年のゴールデンウィークの富士山は、雪が多いような気がした。

所用が終り、小田急伊勢原駅で、家族3人それぞれ別行動。奥方は次男に会うために東京へ。長男は東京の友達と会って大阪へ日帰り。私は丹沢へ。奥方は、私は丹沢より下北沢。堀山より代官山よ!といつもの決め台詞で、新しく出来た銀座シックスに行くらしい。

14時頃、大倉の登山口から登り始めると、下山するお客さんで、超いっぱい。流石に、この時間に登るひとはほとんどいないので、降りてくるひとが、こんにちわ。というと、それに応えて、こんにちわ。と返すが、延々、こんにちわ。こんにちわ。こんにちわ。って、「多対一」のひとり対応で、登りのしんどさと共に、こんにちわ!の、しんどさも体験し、人生で、一番、こんにちわ!と言った一日だった。

ここ30年ほど、年に1度は丹沢の堀山の家で泊まっているが、いま、登山ブームなんだと実感する。年配者だけでなく、若い男女が多い。特に女性の方が多いかもしれないし、家族連れが増えているような気がする。その堀山の家は、改装中で、数人のひとが、ボランティアで、大工仕事をしながら、補強工事をしたり、窓を作ったりしていて、もちろん荷揚げは、登山道をかついであげるしかなく、それで、手持ちの窓や手に入れた窓を利用しながら付けているので、大きさの違う窓が、壁一面に、並んでいて、無茶苦茶といえば、むちゃくちゃだが、良いように言えば、フランク・O・ゲーリーのようで、アバンギャルド。

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この改装工事が、どんなところに向かい、どんなところに着地するか、予断を許さないが、ハウスメーカーを筆頭に商品価値としての建築が主流になっている昨今、方や、「ものづくり」としての建築の楽しさが、DIYブームのようなかたちであり、そういう「ものづくり的家づくり」が、ある種のデザインの統一性や、居心地の良さに、繋がるようにするには、あと、どんな要素が、必要なんだろうかね.....。

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さて、木村工務店のゴールデンウィークは、5月3日から7日の5日間です。6日と7日は「まちのえんがわ」はオープンしております。皆さん、素敵なGWを!

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2017年04月23日

谷口さん

 

桜も終わり、庭には、ハナミズキが咲く季節になり、もうすぐ5月の連休がやってこようとしていて、正月から、あっという間に、季節が移り変わっていくなぁ!! と感じてしまうのは、きっと、加齢の影響なのだろう...。お昼から、谷口智則さんのワークショップがある日曜日だったが、早朝、目が覚めると、あまりにも良い天気だったので、自転車に乗って、十三峠を登り、フラワーロードを経て、のどか村から柏原に下って、大和川沿いを走って、ぐるっと周遊すると、43km、2時間30分ほどの早朝サイクリングだった。朝風呂に入って、ワークショップの準備に臨んだ。

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「まちのえんがわ」のワークショップは、ほとんどが、建築関係のひとが、ワークショップの講師をしてくれているが、2012年のワークショップ開始時から、絵本作家の谷口さんが、毎年、ワークショップを開いてくれて、最初の年は、加工場の壁面に、即興で絵を描いてくれた。それが、加工場に、独特のムードを醸し出し、大工が加工する仕事場としての加工場と、ワークショップをする会場としての加工場が、共存できる雰囲気に変貌させてくれた。そのお陰で、その壁を背景にして、ワークショップ終了後の記念写真を撮影するのが、定番になった。

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2013年のワークショップから、参加者自ら描いた絵に、谷口さん独特のキャラクターのある絵を、その場で、即興で、付け加えることで、参加者の絵が、谷口さんの色に染まり、引き締まった絵になって、この2013年のワークショップには、うちの奥方が参加して、奥方自から描いた絵の一部に、谷口さんの描いた申が、ひょこっと登場し、その絵は、いまだに、リビングキッチの壁に飾られていて、その絵からは、ハッピーなムードが、発散されている。

2014年には、自宅を施工させて頂いた縁で、工場の食堂を改装することになった大阪製罐さんの若き社長が、絵本のワークショップに参加して頂いて、大阪製罐さんは、ゴーフルの缶とか、有名な菓子メーカーの缶を製造する会社で、そのワークショプで、谷口さんとの繋がりが出来、谷口さんが描く、缶が、製造されることになった。そんな、「集い、繋がり、広がる」という、展開が、何よりも嬉しいコトだった。

今年のワークショップの詳細は、「まちのえんがわ」ブログに譲るとして、谷口さんのキャラクター達が、手を繋げて繋がる、ガーランド製作だったが、ただ、切り絵をし、はと目を空け、絵を繋げていくだけでなく、参加者それぞれの要望をお聞きした絵を、谷口さんが、即興で一枚画き、その絵と、参加者自ら描いた絵の2枚が、その中に一緒に繋がるガーランドで、その出来映えの楽しさはともかく、17組の参加者それぞれの要望を親切にお聞きし、丁寧に、根気強く、その場で、描き続ける姿勢が、格好良く、なかなか、真似できるものではなかった。

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「まちのえんがわ」ワークショップのテーマに、「職人さんに触れる」というテーマがあって、実際の大工さんや、左官屋さんや、板金屋さんの、体を動かす姿に接するのが、何よりもの体験のひとつだとおもうわけで、そういう意味では、アーティスト自らが、絵を描く実際の姿を、目の当たりする機会が、子どもさんにとっては、何よりもの体験だったのかもしれない。

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こういう谷口さんとの繋がりを経て、いま、谷口さんのご両親の家の新築と、谷口さんのご自宅のリフォーム工事を施工中で、母屋とアトリエと離れが、大きな庭を取り囲むように、建っていて、職住一体型の庭を介した2世帯住居として、いつしか、オープンホームをし、多くのひとと、一緒に、アートと空間と時間を共有できる宴が、催せれば....とおもう。

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2017年04月16日

桜と「私」

初夏のような春。とっても気持ち良い天気の日曜日。久しぶりに、スカットした青空を見たような気分で、この陽気に誘われたのだろう、「まちのえんがわ」の前の通りは、自転車で行き交うひとが、とっても多かった。

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清見原神社の氏子総代による春祭りが、午前11時からあって、鳥居の前には、小路小学校の桜の木が咲き誇り、道路は、花吹雪で美しく、この鳥居の横に、氏子総代が、整列し、本殿に向かって、皆で一緒に歩みながら、拝殿にて、参拝するのだけれど、参加者20人ほどの男女のなかで、私が一番若い。地元に古くから住むひとたちが、氏子総代となって、春や夏や秋に、地域の、弥栄(イヤサカ)を祈り、参拝する儀式で、親父から引き継いだ時に、へぇ~、昔から、そんな事をしていたのか.....と感心したものだが、さて、若い世代に、こんなことが、伝承されていくのかどうか.....。

ウィキペディアによると.....
天武天皇大和飛鳥浄御原宮から難波に行幸した際に現在の当社鎮座地で休憩したという。現在の社名はこの伝承によるものであり、このとき天武天皇が吉野の方をかえり見たとのことから、附近の地名「吉野見」が生まれた。天武天皇の歿後、一帯を本拠としていた大伴氏が天武天皇を祀る神社を創建し、天武天皇宮と称したと伝えられる。以降、旧大友村の氏神として崇敬された。

清見原神社の歴史はそれなりに古く、木村工務店は、昭和になってから、社殿の増改築工事に携わっていて、2008年の本殿・幣殿・拝殿を増改築工事をする時には、構造設計を木構造研究所の田原さんにお願いした。

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木構造研究所 田原のホームページによると

大阪市内における現存する神社の中では2,3棟しかない木造神社であり、写真のように新築の木造神社は大阪市役所の建築指導課における確認申請の履歴において過去40年でも今回の清見原神社だけであることがわかった。

それだけ建築基準法の仕様規定に合致しないのが神社仏閣等の伝統建築である。

大阪市役所との討議の上、伝統を極力現行基準法の計算法で計算し、伝統的なところはそのまま残し、ルート1による計算法で出来上がったものである。

この清見原神社の本殿では、建築基準法の仕様規定における耐力壁を「構造用合板」仕様で構成される垂れ壁と腰壁とその間にある連子窓を縦格子による半剛性のフィーレンデール梁とし、上下の腰壁・垂壁の耐力要素に水平力を伝達する工法とした。

そのため直径九寸のヒノキの曲げ抵抗は余力として見ており、必要最低限の性能は仕様規定で確保し、許容応力度設計の余力である、丸太柱による曲げ抵抗は予備的に付加している。

基礎仕様はRCのべた基礎にし、地貫に対しアンカーボルトで結合し基準法に適合することにした。

純粋な伝統工法では無いが、あらゆる事で伝統工法を継承し、法的に認められる構造の限界を追求した木造神社と言える。

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土曜日の夜9時頃、食事を終え、唐突に、そうそう、毎年、夜桜を見に、自転車で、大阪城と大川に、夜桜サイクリングをしているのに、今年は、天候が悪く、行く機会がなかった事を、突然想い出した。それで、あたふたと、普段着のまま、ロードバイクにまたがって、出発しようとすると、奥方も、ついていくわ!という。電動ママチャリにまたがる奥方と二人で、毛馬の水門まで、往復24kmの夜桜サイクリングを楽しんだ。

造幣局の横の川沿いは、夜店も出て、きらびやかな光と、沢山の人で、賑わっていたが、外れた静かな場所で、ひっそりと、カップル花見。あぐらを組む女子会花見。学生サークル風大人数飲み会。などなど、土曜日の夜遅くなので、サラリーマンより、若い人たちで、いっぱいで、夜桜の下で、くりひろげられる、そんな、悶々とした、若いエネルギーを垣間見るのが、嬉しかったりする。

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2017年04月09日

花見と天候

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金曜日の夜。小雨。タクシーに乗ると、運転手さんが、本来なら、夜桜見物で、あちらこちら、ひとで、いっぱいなのに、連日、雨が降って、人出が少なく、それに、今年は、桜の開花が遅いうえに、桜の満開と同時に、緑の葉っぱが見えている桜もあり、今年の桜は、さっぱりですわ!という。

毎年、恒例の木村工務店の花見は、木村家の庭で、しだれ桜の宴を催すのだけれど、うちの桜も、例年より開花が、かなり遅く、それで、お花見の予定日を、6日木曜日としたが、天気予報では、午後6時頃から、ちょっと雨が降りそうで、午後9時頃からは、本格的に降るという予報だった。

当日の朝、お花見の宴をするかどうか、何人かで協議した。私は、明日に、延期しても良さそうにおもう。という意見だったが、いや、もちろん、その明日という金曜日には、会合の予定があって、その予定をキャンセルしてでも、会社の花見をするというのが、ちょっとした縁起物の花見として、先代のお花見の想いを大切にしていこうとする感情が、私の中に宿っていた。

父である先代社長が、楽しみで始めた、しだれ桜の宴であり、私たち夫婦が婚約の折に、父、自ら、1mほどのしだれ桜を購入し、庭の片隅で、育て、その桜が、25年ほど経て、お花見を出来るほどになって、社員と一緒に始めた、桜の宴だった。亡くなる1ヶ月前の2014年のお花見は、入院中の病院から、わざわざ外出許可をもらって、花見に参加した。そんな、先代社長の思い入れのようなものが、私や古い社員の中に宿っているのだとおもう。

延期すると、次の日の、皆の都合が悪く、今日、決行しよう!というのが、社内の流れだった。それで、その「流れ」に、従うコトにしたが、天気予報を信じるなら、開始予定の午後6時からは雨が降りそうな予報だったので、開始を早めて、午後3時頃から会場の準備をし、現場の「段取り」が上手くいくひとは、現場から、極力、早く戻るように指示をだした。それと、雨が降り出して、引き上げて、宴を続けるための加工場の準備。時折、ちょっとした通り雨が降る、どんよりした天気のなか、午後4時過ぎには、炭をいこし始め、午後5時前には、その場にいる数人で、乾杯し、焼き肉を食べはじめる、そんな花見の宴となった。

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参加予定の社員と大工さんと手伝いさん全員が揃って、乾杯できたのは、午後6時すぎだったが、幸いにも、午後7時すぎまで、雨はもち、和やかに、しだれ桜を見ながら、焼き肉を食べる宴を催すことができたのは、先代の、自宅の庭での、「お花見への思い入れ」があってのことなのだろう.....。本降りになりだしたと同時に、皆で、一気に撤収し、加工場で、2次会のような宴を続けて、2017年のお花見を一本締めで終えた。

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それにしても、天気の絡む、アウトドアーでの、宴の、悪天候時の決断というのは、ムツカシイもので、決行日の次の日の夜の天気予報は、雨が降らない、曇りの予定だったのに、結果的には、その日は断続的に雨が降る天気となって、皆の流れに従って、良かったなぁ.....と。連想的に想い出すのは、先日の、雪崩による高校生の事故で、決行にあたっては、きっと、さまざまなひとの心の葛藤と決断が交錯したのだろう。「こんなコト」が、上手くいったり、いかなかったり、何が、物事を左右させるのだろうかね.....。

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2017年04月02日

春の住宅相談会。

桜の開花が遅い今年の春。
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とっても良い陽気の今日の日曜日。住宅相談会があって、午前中のAさんご夫妻は、生野区在住で、家の前の、少し大きいめの、土地を購入し、家族4人の家を建てる計画。今のお住まいの家を3階建てに建て替えるという選択肢もありそうだが、敷地が狭く、もっと広い土地に、平屋にしたいが、それはちょっと無理なので、2階建ての新築をご希望だという。生野区によくある、間口が2間ほどで、1階がガレージの木造3階建て住宅に対して、違和感を持っている方々が増えてきて、車を重要視せず、2階建てを希望するひとが増えてきたのが、都会の密集住宅地の最近の傾向。

2階建ての、1階をLDKにするのか、2階をLDKにするのか、を迷うのは、よくあるあるで、ただ、LDKの問題を重視する視点だけでなく、老後の介護問題にフォーカスすると、1階に寝室とお風呂がある間取りが、圧倒的に良く、そんな高齢化社会に対する新たな視点が、最近の住宅事情で、ここ数年の依頼があったリフォーム工事では、2階の寝室を1階に持って行くために、1階の和室や応接室が、高齢者の寝室にとってかわるリフォーム工事が増えてきて、あらためて、高齢者に対する間取りの視点が、大切な時代になってきた。

1階のリビングに、吹き抜けとか、2階に上がる階段がある、そんな間取りでは、冬に、寒いんとちゃうのぉ!っという不安があり、そういう問題が、断熱の性能と気密の施工レベルの向上によって、解決される傾向にあるのが、最近の結果で、それとは別に、2階にLDKがあると、夏に暑いのでは.....という不安があり、大阪の灼熱の夏の蒸し暑さを考えると、当然の不安で、北海道で見学した住宅は、天井裏に断熱する例が圧倒的に多いが、大阪の夏のコトを考えると、天井裏断熱は、小屋裏の熱気を排熱するのが、なかなかムツカシく、そういう意味では、屋根断熱として、できるだけ屋根に厚く断熱を入れるのが、夏の快適さに結びつく傾向にあり、そんな断熱気密に対するお客さんの関心度の高さが、最近の住宅事情といえる。

昼からのBさんは、男性お一人でお見えになり、母と、二人住まいの中古住宅を住吉区でお探しで、グランドピアノを置く防音室が欲しいという希望もあり、そういう、ライフスタイルの多様化が、現代社会の特徴のひとつで、全く、車に興味がなく、平屋の住宅に住まうことをご希望で、1階にガレージのある3階建て住宅に違和感があるものの、流石に、そういう平屋の物件は、希有で、2階建て木造住宅に範囲を広げて、物色中。

数年前から、打ち合わせ室に、プロジェクターを設置し、インターネット上のsumoの土地や中古住宅の情報、グーグルのストリートビューを、一緒に眺めながら、あれやこれやと、お話をお伺いし、打ち合わせをするのが、ひとつのスタイルで、これはこれで、なかなか楽しい時間でもある。

午後3時からのCさんご家族は、幼稚園に通う息子さんと、ご夫妻の3人でお越しになって、天王寺区の五条小学校校区の、土地を探し、新築を計画されているとのことだったが、そういうご希望の方々が、たいへん多く、それゆえに、土地価格もかなり高額な傾向にあり、予算オーバになるのが必至の状況。以前に、この同じ地域で、同じ希望のご家族は、新築を諦めて、中古のRC3階建て住宅を購入し、うちで全面リフォームした施工例もあり、子供を、どこの小学校に通学させるのか、誰もが迷うところだろう.....。

IMG_3900そういえば、つい先日、偶然、あの、話題の、豊中の小学校の、立派な建物の前を通過したが、さて、どんな結末になるのだろうか.....。

それはともかく、待機児童の問題を含めた保育園の問題や、小学校の校区の問題が、住みたい地域の問題に、大きく関係する時代性で、地域全体で子供を育てる環境や、地域全体で高齢化に対応する取り組みが、必要であるということに、「まちのえんがわ」での生野区持続可能まちづくり支援事業での、さまざまな方々とのお付き合いを通じて、実感するようになってきて、また、そんなのが、住宅の取得と、間取りに、影響する時代でもある。

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